...ワイルドの彼にロマン主義者の第一人を発見したのは当り前である...
芥川龍之介 「西方の人」
...世間の普通からいうと理性の著しくまさった人は情に薄いのが当り前であるのに...
伊藤左千夫 「正岡子規君」
...小癪な娘だけにだんだん焼けッ腹になって来るのは当り前だろう...
岩野泡鳴 「耽溺」
...やつぱり当り前に四幅に五幅の大きさにしなければ布が無駄になる...
鈴木三重吉 「桑の実」
...僕のこんな考え方は、少しも新しいものでも何でも無く、こんな当り前の、それこそプリミチヴな事を、ひとはへんにこわがって、あからさまに口に出して言わないだけなんです...
太宰治 「斜陽」
...なるほどこのお爺さんでは雪姉ちゃんが厭だと云うのも当り前だと感じたくらいで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...この村に居るから困るつて言ふんだ」「何が困る……困るのは当り前だ...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...邸に電話でもするのが当り前なのを...
豊島与志雄 「早春」
...だから貧乏に見えぬのは当り前である...
直木三十五 「死までを語る」
...そんな事があるものか」誠吾はやはり当り前の顔をしていた...
夏目漱石 「それから」
...「女にはああいう時でも子供の事が考えられるものかね」「当り前ですわ」健三は自分が如何(いか)にも不人情のような気がした...
夏目漱石 「道草」
...何でも当り前になっちまうのね」津田はつい「こっちでもその訳を訊(き)きに来たんだ」と云いたくなった...
夏目漱石 「明暗」
...ちやんと当り前な結婚式を挙げた筈であつたが――...
牧野信一 「小川の流れ」
...此方が当り前のことを当り前に話してゐてさへ...
牧野信一 「小川の流れ」
...御飯の通る道も当り前の人より細長いのです...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...保留しているのは当り前の話である...
柳田国男 「年中行事覚書」
...当り前の打(ぶ)ったり絞(し)めたりする遊びなんかじゃ我慢出来ないの……一と思いにあんたを殺すかどうかして終(しま)わなくちゃトテモやり切れないと思うくらい...
夢野久作 「支那米の袋」
...ただ当り前の意味に解釈して...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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