...弾力のない皮膚が時々口許(くちもと)で痙攣(けいれん)する...
芥川龍之介 「孤独地獄」
...弾力のない顔を教壇の方へ向けていた...
芥川龍之介 「水の三日」
...大抵弾力のない思想を有(も)ツて居るものだ...
石川啄木 「漂泊」
...しかるに野蛮人は饑饉という弾力のない板の上に立っている...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...全く弾力のない顔をみると...
豊田三郎 「リラの手紙」
...彼は胃弱で皮膚の色が淡黄色(たんこうしょく)を帯びて弾力のない不活溌(ふかっぱつ)な徴候をあらわしている...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...弾力のない頬(ほお)の肉にも...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...皮膚に弾力のない不具者だ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...それは既に発見られたのです、だから、その化学式を満足させるようなものを合成すればいい訳ですが、ところが化学式には「弾力」というものが表わせません、ゴムの生命ともいっていい弾力が表わせないんです、それが合成して目出度(めでた)く出来上ったものは、一見ゴムみたいなものでありながら、弾力のない、くだらぬものでしかなかった、という、まあそんな訳ですが、失礼ですが、あなたの場合、音譜に「音色(ねいろ)」というものが表わせるでしょうか「音色」という弾力を、マキシマムに発揮しなければ、その流行歌は人の心を、芯底から搏(う)つものとは思われませんね...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
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