...巷間寄り寄りに伝えるところではまだそのほかにお一方(ひとかた)……先王オスカル三世が何かの弾みに侍女に手をつけて...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...奈世の弾みのある白い体を一人前の男となって抱くのである...
富田常雄 「面」
...幸い落ち散る抜刀が一腰、争う弾みに、二人の曲者(くせもの)の一人が投げ出したのでしょう...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...――平次の口調はひどく弾みます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...親分平次に対する讃歎に弾みます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...弾み切って飛んで行きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そいつは大事なことだよ」「ヘエ――」ガラッ八は弾みが付いたように飛び出しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そのやさしい弾みをもつた少女の声だけが...
原民喜 「壊滅の序曲」
...この弾みのある、軽い、やさしい、たくみな、天使たちの誘惑には手もなく僕は負けてしまひさうなのだ...
原民喜 「心願の国」
...心の弾みをおぼえた...
原民喜 「遥かな旅」
...それから夕食が華やかに始まり、会話が弾み、下の舞踏会場からは楽団が音楽を奏でた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...会話が弾み、お皿の擦れる音に続き、シャンパンの栓がぽんとはじけた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...そんな弾みに逆らはうとして五体に止める力は...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...心はしきりに弾み上って来るのに爽やかな流れが抵抗もなく胸の底を流れつづけた...
横光利一 「旅愁」
...料理のことを考えると矢代はいつも覚えぬ心の弾みを感じて来た...
横光利一 「旅愁」
...もし千鶴子が何かの弾みにカソリックの宗麟に滅ぼされた矢代家の特殊な歴史を知り...
横光利一 「旅愁」
...丈八郎も、一角も、はッと気を抜いて、「おうっ?」と、跳びひらいたまま、一瞬、茫(ぼう)となって、畳に、もがいている意外な犠牲者の影を見つめたが、丈八郎は、自分を目がけた一角の刃が、弾みに、罪のないお信を斬ったことに、気がついたので、「妹の仇っ」と、喚(わめ)いて、「――動くなっ、そこを」と、小脇差で、突っかけた...
吉川英治 「無宿人国記」
...よろこんでくれ」と、息の弾みにも、その欣びを昂(たかぶ)らせて、「相手は、分った...
吉川英治 「無宿人国記」
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