...未亡人と沢崎との間に暫くその方面の閑談が弾み...
谷崎潤一郎 「細雪」
...自分の弾みのついた身体(からだ)を受止(うけと)めて...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...それが三尺幅もある大卓(テーブル)を二つ並べたのと違って、貸ビルの二、三室に巣くう第三流新聞の悲しさで、卓(テーブル)は引出しの無い狭いもの、それを両方から使って居るのですから向う側に席を占めて居る人とは、ツイ話も弾み、卓(テーブル)の下の足も触り、お互(たがい)に息も通うので、同僚達がやっかんで、「畜生ッ、くた張って了(しま)え」位のことを云ったのも無理のないことでした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...しばらく押したり叩いたりしてみると、どうした弾みか、いきなりスーッと開きます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何かの弾みで、二三本しか残らない歯を出して笑う顔が――」「ね」「あッ、違(ちげ)えねえ、あの百松老爺と、お崎の顔が、どこか似ているんじゃありませんか、親分」「気が付いたか、八、若い娘と六十の爺さんだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...手荒なことをするな」「ヘエ――」ガラッ八は弾みのついた毬(まり)のように飛んで行きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...弾み切って飛んで行きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...肩を何んかの弾みに打っただけで――親分に見て頂くがよい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...どうした弾みだか...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...心の弾みをおぼえた...
原民喜 「遥かな旅」
...彼等のなかには何か互に感染しあふ弾みが潜んでゐるのだらう...
原民喜 「火の子供」
...いっそ弾みがつきまさァ...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...自動車のとまる軽い車輪の弾みを聞いた...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...ばかりか、心が弾み立った...
正岡容 「小説 圓朝」
...老夫人は気力の弾みを感じる...
矢田津世子 「女心拾遺」
...どんと前に落ちた弾みに...
吉川英治 「下頭橋由来」
...弾みを喰った阿念の身がよろりとなった...
吉川英治 「剣難女難」
...丈八郎も、一角も、はッと気を抜いて、「おうっ?」と、跳びひらいたまま、一瞬、茫(ぼう)となって、畳に、もがいている意外な犠牲者の影を見つめたが、丈八郎は、自分を目がけた一角の刃が、弾みに、罪のないお信を斬ったことに、気がついたので、「妹の仇っ」と、喚(わめ)いて、「――動くなっ、そこを」と、小脇差で、突っかけた...
吉川英治 「無宿人国記」
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