...強慾で――いやその中でも取分け甚しいのは...
芥川龍之介 「地獄変」
...父の財産はすべてあの強慾(ごうつく)ばりの雇い婆に与えられるのだ...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「無駄骨」
...これまで京都堺町にて売弘め候牡丹餅(ぼたもち)も少し流行に後(おく)れ強慾に過ぎ候...
中里介山 「大菩薩峠」
...強慾(ごうよく)な老婆をいましめの方便ということになっているのです」人だかりは崩れて...
中里介山 「大菩薩峠」
...この強慾(ごうよく)な老人の一生と大した変りはないかも知れないという気が強くした...
夏目漱石 「道草」
...佐吉が強慾(ごうよく)で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...因業(いんごふ)で強慾で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私の山や田畑をめぐつて幾人もの強慾者連が...
牧野信一 「泉岳寺附近」
...虚病をつかひ二天門のほとりに住む強慾非道のお医者を懲らしむるの一席である...
正岡容 「下町歳事記」
...その主人至っての強慾で詫びに連れていってくれた金兵衛がどう陳じても盗られた六十両を返せといって肯じない...
正岡容 「我が圓朝研究」
...強慾非道な質屋の蔵をすぐに荒してやったわけだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...『出曜経』八に無厭足とて名から大強慾な竜王が己を祀(まつ)りて富を求むる婆羅門を使い富家の財をことごとく地下に没入せしに...
南方熊楠 「十二支考」
...強慾な輩、そのまま家へ持ち帰れば皆馬糞に化(な)るという(『東洋口碑大全』七六二頁)...
南方熊楠 「十二支考」
...その時強慾の人間差し出て...
南方熊楠 「十二支考」
...どんな強慾でも拔け目ない男といはれる者でも...
吉川英治 「折々の記」
...十九の夏の晩だった」強慾者...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...強慾でわがままで...
吉川英治 「親鸞」
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