...そのまゝ強情に机の前から離れないでゐた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...いつになく強情に...
海野十三 「爆薬の花籠」
...お転婆の本性を現わして強情にも中々降参しない...
谷崎潤一郎 「少年」
...皺はあくまで強情にしかもだんだんふえるばかりで裾だの袖口がをかしな風にまくれ上つて云ふことを利かないのだつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...病院長先生も母の強情にあきれ...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...強情に一口も飮食しなかつたのださうだ)に其の旨を告げ...
中島敦 「環礁」
...「ウーム」強情に堪える唇から...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そうしてある子供はそのために強情に...
羽仁もと子 「おさなご」
...日頃の強情にも似ず...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...藤波というやつの強情には...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...私はあんまり自分だけが強情にしているように見えるのも何んだから...
堀辰雄 「ほととぎす」
...直後、顔がこわばり、強情になった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...然し強情にそれを固守して...
牧野信一 「文学的自叙伝」
...三二人はまだ強情に黙っていた...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...人が違ったように強情になる...
山本周五郎 「山彦乙女」
...どうかすると一寸強情にはなるが...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...この強情には、呉王もあきれ果てたものとみえ、「この我儘者め...
吉川英治 「三国志」
...――その妖雲にわずらわされて、月顔(げつがん)はれたまわぬは主上である」「では訊(たず)ねるが、その徳川が仆れたなら何が代る?」「王政がかわる」「権(けん)をとって廟(びょう)に立つものが、第二の幕府をつくりはせぬか」老人、グッとつまったが、強情に、「いや、いったん王道の赫(かく)たる御政道がたてば、そういう虫ケラどもが業(わざ)をする日蔭はない」「迂遠(うえん)でござる、お考えがちがう」「ともあれ」「イヤ!」と押しかぶせて、「――法月弦之丞は学徒ではござらぬ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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