...張り詰めた心を以つて修業の生活を送つてゐるのか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...張り詰めたる胸の動悸今猶静め兼ね候...
石川啄木 「渋民村より」
...斯(かう)した女の張り詰めた心も同情するに足りる...
田山録弥 「初冬の記事」
...私の持つ不定形の力は震え目一杯張り詰めた...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「感覚の殻」
...笹村は張り詰めたような心持で言い出した...
徳田秋声 「黴」
...人馬も通えるように堅く張り詰めた河の氷もようやく溶けはじめたころで...
徳田秋声 「縮図」
...張り詰めた勇気も一時に砕くるの思いでしたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...張り詰めた二人の姿勢は崩(くず)れた...
夏目漱石 「虞美人草」
...急に張り詰めた気が弛(ゆる)んだものか...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...一生懸命氣を張り詰めたんだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一生懸命気を張り詰めたんだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...肝心(かんじん)の柳吉さんは殺されてしまつて――」張り詰めた氣もゆるんだか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...張り詰めた気がゆるんだようにグッタリと椅子の中へ落ちこむ...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...然も張り詰めた心で――凝と法悦に浸つてゐるより他はないのであります...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...張り詰めた気持はなく...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...矢代は張り詰めた青い顔のまま暫らくそこに立っていた...
横光利一 「旅愁」
...身共に新九郎と申すような舎弟はない」「違った!」新九郎は張り詰めた心を...
吉川英治 「剣難女難」
...小判で張り詰めたような馬鹿げた豪奢(ごうしゃ)が...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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