...張り詰めた心を以つて修業の生活を送つてゐるのか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...張り詰めた気持の持って行きどころもなかったが...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...そこは珍しい織物を張り詰めた狭い室で...
田中貢太郎 「賈后と小吏」
...原理としてその張り詰めたものが弛む形になつてゐるのであるから...
田山録弥 「心理の縦断と横断」
...張り詰めた乳房を啣(ふく)ませると...
徳田秋声 「黴」
...張り詰めた二人の姿勢は崩(くず)れた...
夏目漱石 「虞美人草」
...上(あが)り框(がまち)の下を張り詰めた綺麗(きれい)に光る竹だの...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...縁起が悪いから止(よ)しました」舞葡萄(まいぶどう)とかいう木の一枚板で中を張り詰めたその大きな唐机(とうづくえ)は...
夏目漱石 「道草」
...一生懸命気を張り詰めたんだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...張り詰めた気が緩んだものか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...肝心(かんじん)の柳吉さんは殺されてしまつて――」張り詰めた氣もゆるんだか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...切れる寸前まで張り詰めたと思うと...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...然も張り詰めた心で――凝と法悦に浸つてゐるより他はないのであります...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...張り詰めた気持はなく...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...四方を鏡で張り詰めた室(へや)の中が薄暗くなってしまった...
夢野久作 「鉄鎚」
...柱の間を分厚いフリント硝子(ガラス)で張り詰めた奥には...
夢野久作 「暗黒公使」
...矢代は張り詰めた青い顔のまま暫らくそこに立っていた...
横光利一 「旅愁」
...小判で張り詰めたような馬鹿げた豪奢(ごうしゃ)が...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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