...張り合いのないほど静かに更(ふ)けていった...
海野十三 「蠅男」
...なあんて張り合いのない野郎だろう...
太宰治 「虚構の春」
...少し張り合いのない気がする...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...敵の空軍はさぞや張り合いのないことであろうし...
寺田寅彦 「地図をながめて」
...児戯に類する仕業(しわざ)や張り合いのない気紛れがあまり多すぎた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...張り合いのない人ね」と保子は云って笑った...
豊島与志雄 「反抗」
...張り合いのない真剣さだ...
豊島与志雄 「ものの影」
...私どももほっと息を吐き少しは張り合いのない気もした...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...生き埋めとはまた張り合いのない...
永井隆 「長崎の鐘」
...そう云う張り合いのない位に静かな暮しにも格別不満らしいものを感じているような様子はなかった...
堀辰雄 「菜穂子」
...けさから馬車に揺られて来た疲労(つかれ)が現に浮んで来て、張り合いのない、眠いような心持ちになる...
水野葉舟 「黄昏」
...貴族がたのりっぱな姫君がお出にならないではこちらも張り合いのないことになる」と言って...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...女は張り合いのない顔をし...
室生犀星 「童子」
...あのノロノロした張り合いのないように見えた舞いの手ぶりが非常な変化のスピードを持ち...
夢野久作 「能ぎらい/能好き/能という名前」
...あのノロノロした張り合いのないように見えた舞の手ぶりが...
夢野久作 「能とは何か」
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