...自分の下品と厭味とに對する自覺は僕の生活に張りを與へてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...矢ツ張りお客に出るぢやアないか?」「いえ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...君は矢張り貧乏で戦つてた方がいいやうに思ふが――」「さうか...
薄田泣菫 「茶話」
...天鵞絨(ビロード)張りの腰掛けがあるから...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...」張りのある低い声でした...
豊島与志雄 「白蛾」
...喉一杯の声を張り上げて土語の歌を唱って居た...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...矢張り小染の外にはないことになります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こんな見張りたちほどに断食芸人に苦痛を与えるものはなかった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「断食芸人」
...蟻(あり)も逃さぬ非常線が張りつめられ...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...緞子張りの長椅子に腰かけて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...これ! (左の薬指から指輪を抜いてトンと置く)これを張ります...
三好十郎 「冒した者」
...腹(おなか)が張りましょう」大原「張りましょうとも...
村井弦斎 「食道楽」
...張りつめた金網はふしぎな金属性の音響を立てて...
室生犀星 「幻影の都市」
...その家の台所の板張りの見事なのに驚く外なかった...
柳宗悦 「全羅紀行」
...何をしても張り合いがないような気がして...
夢野久作 「白髪小僧」
...絶えず頭の底から放れないのは矢張り壞れた辰子の肉體であつた...
横光利一 「悲しみの代價」
...矢ッ張り前の大森……」「いや越したよ...
蘭郁二郎 「睡魔」
...竹箒の樣にその落葉した枝や梢をこま/″\と張りひろげて立つてゐるのがあります...
若山牧水 「樹木とその葉」
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