...前夜同じ蚊帳に寝た女の寝息や寝返りの気勢(けはい)に酷く弱い頭脳を悩まされて...
石川啄木 「赤痢」
...兎角人間は孤獨の時に心弱いものである...
石川啄木 「葬列」
...「うちの子は身体が弱いよって...
上村松園 「画学校時代」
...育ち難い弱い子を丈夫に育てたいという親心から...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「むかでの跫音」
...弱い者同士ですものね...
太宰治 「女の決闘」
...あれで案外気の弱いところのある妙子が...
谷崎潤一郎 「細雪」
...幸子のような気の弱い者にはとても妙子をそんな工合に動かすことなんか出来る筈(はず)はない...
谷崎潤一郎 「細雪」
...このうえなお女主人や若奴のいる前で腹を立てた顔を見せるのが恥の上塗りをするようで私はどこまでも弱い気を見せずに...
近松秋江 「霜凍る宵」
...多分その前に来たはずの弱い初期微動を気が付かずに直ちに主要動を感じたのだろうという気がして...
寺田寅彦 「震災日記より」
...美しすぎる面ざしをした、ひ弱い青年が、胸から血をだして死んでいく光景を見るのは、ありがたいというようなことではない...
久生十蘭 「あなたも私も」
...そんな時には弱い子供に打たれても...
松永延造 「職工と微笑」
...夕方はエプロン姿で出迎えてひたすら彼の力弱い月給袋を生涯風波なしの唯一のたよりとし...
宮本百合子 「新しい船出」
...人間は弱い...
三好十郎 「肌の匂い」
...それをそっくり鍋へ入れて弱い火で気長に煮るのですがアクが浮いて来ますから幾度(いくたび)もそれを匙で掬(すく)い取らないといけません...
村井弦斎 「食道楽」
...極度に気の弱い性格を持っている彼が...
夢野久作 「木魂」
...彼の妻が生来弱いので...
吉川英治 「新書太閤記」
...弱いと思った女のその強い手だったので梅軒もちょっとたじろいだ恰好であった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...何しろ來る道中が道中だものだから、身體の弱い人、氣の弱い人、または時間にきびしい制限のある人たちには一寸出かけて來られないのです...
若山牧水 「樹木とその葉」
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