...弱い冬の没日を背にしてあの男は外套を着て空のリュックを持ち...
梅崎春生 「蜆」
...全く弱い女になりきってその場に泣き崩れた...
海野十三 「雷」
...社会にいるものはなぜそう体が弱いのだろうね...
大杉栄 「獄中消息」
...弱い奴も斬ってみたいのだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...まさかこの非常時だからそんな弱い連中は皆死んでしまえというわけでもないだろう...
中谷宇吉郎 「兎の耳」
...弱い話だがこっちの寒さには敵(かな)わないとあった...
夏目漱石 「長谷川君と余」
...気の弱い者はのぞいただけでも眼まいがするのに...
野村胡堂 「九つの鍵」
...気の弱い生れ付きで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...僕は弱い、僕は弱い、僕は弱いといふ声がするやうだ...
原民喜 「鎮魂歌」
...よくそのか弱い身に障りもしませぬか...
樋口一葉 「十三夜」
...何うも弱いので困るが...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...しかしこの人の硬い心は彼の弱い心を傷つけずにそれに觸れることが出來なかつたのだ...
堀辰雄 「聖家族」
...翌日(あくるひ)凝汁の上へ浮いた脂(あぶら)を綺麗に取って玉葱と人参とセロリーとを入れて玉子一つを割って入れて掻(か)き廻(まわ)して弱い火で蓋(ふた)をせずに一時間半以上煮ると透明なスープが出来ます...
村井弦斎 「食道楽」
...弱い女性の身には...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...野に立つ一本の樹は嵐の前に弱いであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...弱い者いじめをするな」「民権蹂躪(みんけんじゅうりん)じゃ」「かまわん...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...うしろ髪ではなく――うしろにそういう、いじらしい者や、弱い者や、恋しい者がいることこそ、かれの強味であった...
吉川英治 「新書太閤記」
...……善信様にも」こんな弱い男であったろうかと疑いたいほど...
吉川英治 「親鸞」
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