...気の弱い婦(おんな)であるから...
泉鏡花 「婦系図」
...私は本当に弱いのです...
伊藤野枝 「遺書の一部より」
...そしてこんな人々は意志が弱いのだと信じてゐるのです...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...何れかと云えば気弱い彼の胸のうちは然し私などには想像もつかなかった...
上田広 「指導物語」
...弱い冬の没日を背にしてあの男は外套を着て空のリュックを持ち...
梅崎春生 「蜆」
...弱い性格をくろがねのやうにたたきあげるといふ言葉は...
小穴隆一 「二つの繪」
...弱い兎鼠の類も生存している...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...弱い人がせつぱ詰まると前後不覺に行動する...
高濱虚子 「俳諧師」
...人間は弱いものをいぢめてはいけません...
太宰治 「火の鳥」
...弱い心臓を持ちながら...
種田山頭火 「其中日記」
...その声はずっとずっと以前に立てた音声の最後の弱い反響のようであった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...その実頼みにならぬ人間ではないか? 私みずからすでに天なる父に依り頼まずには一秒たりとも生きてゆかれぬ弱い人間ではなかったか? わが身の健やかであったころ...
永井隆 「この子を残して」
...弱いものを相手にしていじめるのを楽しむといった風で...
中島敦 「斗南先生」
...この可弱い気分は何うしたことだらうとおもふと――...
牧野信一 「「学生警鐘」と風」
...この場合ひとはただ丈夫なとか弱いとかいう甚だ一般的な判断で満足しているように思われる...
三木清 「人生論ノート」
...わるいというよりも弱いと思うし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...路が遠くて悪いのは人家の数が少なく経済力が弱いためである...
柳田國男 「地名の研究」
...女が男より弱い者だということを...
柳田国男 「木綿以前の事」
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