...たとい病的な弱々しさはあっても...
芥川龍之介 「湖南の扇」
...真白な百合(ゆり)のような大きな花がみるみる蕾(つぼみ)の弱々しさから日輪のようにかがやかしく開いた...
有島武郎 「星座」
...男性を引きつくる女性の弱々しさが遺憾なくその根本の思想に表はされてゐる...
伊藤野枝 「貞操に就いての雑感」
...細い柱の弱々しさ...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...弱々しさと決斷力とが混つてゐるやうな顏つきをして...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「帽子箱の話」
...威張った名乗りに似合わぬ弱々しさだった...
高見順 「いやな感じ」
...一種の弱々しさと複雑さがそこに動いてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...その声の弱々しさは哀れでもあり物凄くもあった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...それは彼の神経の弱々しさも一つの原因であつたが...
徳田秋声 「花が咲く」
...この弱々しさが出て来るのでもあるが...
戸坂潤 「社会時評」
...不均合(ふつりあい)な弱々しさを呈するに過ぎない...
中島敦 「環礁」
...反対にその弱々しさのうちには...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これは世に言ふ美人ではなく、日蔭に咲いた虫喰ひ牡丹の莟のやうな、一種の可憐さと、弱々しさと、そして若さとの異樣な混合で、人の心に喰ひ入る、いぢらしさを持つて居る顏といふべきでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...木馬はその半分のところまでも届かないほどの弱々しさであった...
葉山嘉樹 「死屍を食う男」
...病的な浮世繪や草艸紙の美人の弱々しさを嫌ふ現代の油繪畫家も喜ぶ姿態かもしれない...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...物わかりの早い東京の人の弱々しさから...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...はっきりわかりますか? もう大分予後の弱々しさが神経からもなくなって来て居ります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そうして、この頃の若い女性の胸にあふるる「性」のなやみの、云うに云われぬ深刻さ、残忍さ、堪え方さ、弱々しさが、そこにありありとあらわれているのではあるまいか...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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