...水にふやけて弛みし節の解けたるにや...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...一度に弛みて両犬は...
巌谷小波 「こがね丸」
...ほっとした気の弛みが浮び出た...
海野十三 「地獄の使者」
...筋肉に弛みが見えて青白い皮膚に光澤が無かつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...終に気力弛み生捕(いけどり)に合い候事毎々に御座候...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...一寸心に疲れた弛みが出来ると...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...彼の薄い唇にはだらけた弛みがあり...
豊島与志雄 「林檎」
...併し向い合って箸を取り出すと決心も、疑も弛み、青江の楽しげな笑いにまき込まれそうになった...
豊田三郎 「リラの手紙」
...その場合には餘にそぐはない心の弛みを感じて...
南部修太郎 「疑惑」
...殆ど弛みなく其活動を持續して...
原勝郎 「鎌倉時代の布教と當時の交通」
...緊張してゐた氣の弛みが一度におし寄せたやうに瘠せた肩さきをしやくるやうに顫はせて私の胸のところに顏をよせつけた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...痩せて弛みのできた頬が...
山下利三郎 「流転」
...それだからって汗水たらして皆が働いたものを一人の神経の弛みのために尽く水の泡にされてしまってそのまま泣き寝入に黙っているわけにもいかず...
横光利一 「機械」
...真白な堅いカラーに食い込まれて弛みながら揺れ動いた...
横光利一 「上海」
...」弛みの出た木組ながら...
横光利一 「旅愁」
...寸秒の弛みもない戰場の心がまへにも劣らないから...
吉川英治 「折々の記」
...生理的にすつかりタガの弛み出した老境になつて...
吉川英治 「折々の記」
...事件の展開に一分の弛みもない点...
米川正夫 「クロイツェル・ソナタ」
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