...この時急に弛(ゆる)んだのを見ても...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...その時から漢民族の国家生活としての力が弛緩しております...
石原莞爾 「最終戦争論」
...今時珍らしい黒繻子(くろじゅす)豆絞りの帯が弛(ゆる)んで...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...一時に弛(ゆる)み出でて...
巌谷小波 「こがね丸」
...此處へ來て細君に逢つてからは俄に心が弛んで故郷へでも歸つたやうな氣持になつた...
高濱虚子 「俳諧師」
...(彼の体は弛緩してから急に体重が増したように...
谷崎潤一郎 「鍵」
...そしてこの書の終わりに近くなって笑いと精神的の弛緩(しかん)との関係に少しばかり触れている一節があるのを見いだして多少の安心を感じる事ができた...
寺田寅彦 「笑い」
...弛(ゆる)みを見せまいとしている女のちょっとした冷語にも...
徳田秋声 「黴」
...終に気力弛み生捕(いけどり)に合い候事毎々に御座候...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...異国の人を厳禁する法を弛(ゆる)め給うべし...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...細面の頬の肉をうっとりと弛ませていた...
豊島与志雄 「好意」
...彼の薄い唇にはだらけた弛みがあり...
豊島与志雄 「林檎」
...タガが弛(ゆる)んだやうに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼女は彼の速くなつたり弛くなつたりする氣まぐれな歩調に合はせにくさうに...
堀辰雄 「巣立ち」
...第三十九 米の粉のソフレは前より一層上等で先ずお米の粉大匙一杯半を牛乳五勺で弛(ゆる)めて弱い火へかけて柔くなるまで煮ます...
村井弦斎 「食道楽」
...その戒は次第に弛(ゆる)んで...
柳田国男 「年中行事覚書」
...私は日本人の冒険心と勤労精神の弛緩を歎かずにゐられない...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...一時に心が弛(ゆる)んだのであろう」井水(いみず)を汲んで口へふくませ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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