...打開の次に幾許もなく弛緩の時期が襲來する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...綸(いと)を弛めぬ様に...
石井研堂 「元日の釣」
...用がすんだら弛緩(しかん)してもいいはずの緊張が強直の状態になってそれが夜までも持続して安眠を妨げるようなことがおりおりある...
寺田寅彦 「映画と生理」
...落寞として霜枯れた冬田の上にはうすら寒い微風が少しの弛張(しちょう)もなく流れていた...
寺田寅彦 「鴫突き」
...」彼はしまりのない薄い唇をなお弛めて...
豊島与志雄 「林檎」
...ぜんまいの弛(ゆる)んだ機械玩具のような奇妙なのろさであった...
中島敦 「光と風と夢」
...「どうもこう弛(ゆる)みますと...
夏目漱石 「門」
...すべてを打ち明けて張り詰めてゐた氣持の綱が弛んだのか...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...『束縛』があると共に『責任回避の安心』から来る緊張の弛みがある...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...それなのにあらゆる神經が弛(ゆる)んでしまつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...それがよく摺れた処で今のスープを少しずつ入れてドロドロに弛(ゆる)めます...
村井弦斎 「食道楽」
...どこかの開き戸の蝶番(ちょうつがい)の弛(ゆる)んだのが...
森鴎外 「心中」
...絡み附いてゐた男の手が弛んだ...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...うちあけて申しますが藩政は紊乱(びんらん)し弛廃し...
山本周五郎 「思い違い物語」
...甲谷の腕は弛(ゆる)んで来た...
横光利一 「上海」
...弛(ゆる)まぬうちに...
吉川英治 「三国志」
...退いて弛(ゆる)めるか...
吉川英治 「新書太閤記」
...毛ほどでも弛(ゆる)みを見せれば武蔵の刀は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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