「弛」の意味
緩む、たる
小説での「弛」の使い方
...果は腰帯の弛(ゆる)んだのさえ...
泉鏡花 「婦系図」
...今時珍らしい黒繻子(くろじゅす)豆絞りの帯が弛(ゆる)んで...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...それまでは張りつめていた心をすこし弛(ゆる)めたのがいけなかった...
海野十三 「人体解剖を看るの記」
...海陸風に相当する風の弛張がかなり著しく認められるが...
寺田寅彦 「海陸風と夕なぎ」
...あまり緊張が弛んだために眠くなって困った...
寺田寅彦 「電車と風呂」
...久しければ輙ち懈弛して秩序を紊るの失態を見ると...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...オブローモフの力は次第に弛んでくる...
豊島与志雄 「意欲の窒息」
...彼はかかる意志の弛緩(しかん)中...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼女の堅くなっていた肉体は急にしなやかに弛んできた...
豊島与志雄 「囚われ」
...急に気が弛んだせいか...
豊島与志雄 「白日夢」
...人心も緊張と弛緩が絶えず交替してゐた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...いつにない弛緩(しかん)した心を誘い出したのかも知れない...
火野葦平 「糞尿譚」
...ぐんなり弛(たる)みさうになり...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...弛緩(ゆるみ)が来てはならぬとの...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...どこかの開き戸の蝶番(ちょうつがい)の弛(ゆる)んだのが...
森鴎外 「心中」
...その戒は次第に弛(ゆる)んで...
柳田国男 「年中行事覚書」
...彼の歩みは弛んで來た...
横光利一 「悲しみの代價」
...「――どの辺へ?」櫓(ろ)の手を弛(ゆる)めながら...
吉川英治 「宮本武蔵」
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