...島が見えるともう訓練の綱が弛んでしまったのだ...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...錨索が私の手の中で弛んだのが感じられ...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...戸石君の精神の弛緩(しかん)を指摘し...
太宰治 「散華」
...用がすんだら弛緩(しかん)してもいいはずの緊張が強直の状態になってそれが夜までも持続して安眠を妨げるようなことがおりおりある...
寺田寅彦 「映画と生理」
...やはり海陸風に相応する風の弛張(しちょう)が認められない事はないのである...
寺田寅彦 「海陸風と夕なぎ」
...東京市民の顔の緊張がやや弛(ゆる)んで見える場所がある...
寺田寅彦 「電車と風呂」
...そうして子細に考えてみると緊張に次ぐ弛緩の後にその余波のような次第に消え行く弛張(しちょう)の交錯が伴なうように思われる...
寺田寅彦 「笑い」
...古いバネのやうに弛(ゆる)んで...
徳田秋声 「風呂桶」
...久しければ輙ち懈弛して秩序を紊るの失態を見ると...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...その弛んだ薄い唇と曇りとを帯びた眼付とから...
豊島与志雄 「林檎」
...心の弛んだ瞬間――その瞬間だけで...
直木三十五 「南国太平記」
...自分の義務に一段落が着いたという気の弛(ゆる)みが出ると等しく...
夏目漱石 「門」
...世間じゃそう言ってますぜ――銭形のもタガが弛(ゆる)みはしないかってね...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...注意力の弛緩(しかん)からして...
萩原朔太郎 「ウォーソン夫人の黒猫」
...初めて張つめし気の弛(ゆる)みしは忠臣の真面目にて...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...テラテラとした日の下で弛んだ筋肉のだらしなく着いた体を曲げたり伸したりして...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...毛ほどでも弛(ゆる)みを見せれば武蔵の刀は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...右のごとく芸術家的な心持ちの弛緩した人の所産であろう...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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