...もちろん不破家に引越したとて...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...あんな夜更けに引越してくるなんて...
海野十三 「深夜の市長」
...家をまとめて東京に引越したのがあつた...
薄田泣菫 「茶話」
...明朝すぐに引越しますよ...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...ほとんど家内同様になっている医科の男があってそれが一向引越しもしないところから見るとまさかそうではあるまいと云うので...
寺田寅彦 「雪ちゃん」
...それが葉子の引越しの車とも思わず...
徳田秋声 「仮装人物」
...まるで煤掃(すすは)きか引越しの時のような狼藉(ろうぜき)に...
永井荷風 「すみだ川」
...隣へ引越して来た踊りの師匠を張り合って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...引越し蕎麦 参拾銭 下へ...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...(一)家の間數は三疊敷の玄關までを入れて五間、手狹なれども北南吹とほしの風入りよく、庭は廣々として植込の木立も茂ければ、夏の住居にうつてつけと見えて、場處も小石川の植物園にちかく物靜なれば、少しの不便を疵(きず)にして他には申旨(むね)のなき貸家ありけり、門の柱に札をはりしより大凡(おほよそ)三月ごしにも成けれど、いまだに住人(すみて)のさだまらで、主なき門の柳のいと、空しくなびくも淋しかりき、家は何處までも奇麗にて見こみの好ければ、日のうちには二人三人の拜見をとて來るものも無きにはあらねど、敷金三月分、家賃は三十日限りの取たてにて七圓五十錢といふに、夫れは下町の相場とて折かへして來るは無かりき、さるほどに此ほどの朝まだき四十に近かるべき年輩(としごろ)の男、紡績織の浴衣(ゆかた)も少し色のさめたるを着て、至極そゝくさと落つき無きが差配のもとに來たりて此家の見たしといふ、案内して其處此處と戸棚の數などを見せてあるくに、其等のことは片耳にも入れで、唯四邊(あたり)の靜にさわやかなるを喜び、今日より直にお借り申まする、敷金は唯今置いて參りまして、引越しは此夕暮、いかにも急速では御座りますが直樣掃除にかゝりたう御座りますとて、何の子細なく約束はとゝのひぬ、お職業はと問へば、いゑ別段これといふ物も御座りませぬとて至極曖昧の答へなり、御人數はと聞かれて、其何だか四五人の事も御座りますし、七八人にも成りますし、始終(とほし)ごた/\して埓は御座りませぬといふ、妙な事のと思ひしが掃除のすみて日暮れがたに引移り來たりしは、相乘りの幌かけ車に姿をつゝみて、開きたる門を眞直に入りて玄關におろしければ、主は男とも女とも人には見えじと思ひしげなれど、乘り居たるは三十計の氣の利きし女中風と、今一人は十八か、九には未だと思はるゝやうの病美人、顏にも手足にも血の氣といふもの少しもなく、透きとほるやうに蒼白きがいたましく見えて、折から世話やきに來て居たりし、差配が心に、此人(これ)を先刻(さき)のそゝくさ男が妻とも妹とも受とられぬと思ひぬ...
樋口一葉 「うつせみ」
...又時節が有らばとて引越しも無惨(むざん)や車に乗するは病人ばかり...
樋口一葉 「大つごもり」
...同盟は全部留置場の内へ引越したようなもんじゃないですか...
宮本百合子 「刻々」
...私は十二月中旬に引越しの予定です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...引越しがしてなくてよかったこと...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...引越しをすると、本当に簡単に暮したいと思いますね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何處からか引越して來た翌日...
室生犀星 「はるあはれ」
...書生さんの引越しには荷物車の後から...
山本笑月 「明治世相百話」
...その引越しの壮観と美麗さは...
吉川英治 「新書太閤記」
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