...それに引替え、三万円の貯金と、バラックながら二軒の家持ちの桂子、私は子供の頃、ひとから(おまんこ倉)と綽名(あだな)される、美貌の未亡人の白塗りの倉を持った家が近くにあったのを思いだす...
田中英光 「野狐」
...「金瓶梅(きんぺいばい)」を書き引替えで稿料を持ってきてくれた雑誌社の金を全部渡す...
田中英光 「野狐」
...平公夫婦の毎日里の方へ下りて行くのに引替へて...
田山花袋 「歸國」
...一椀の飯を尽されると共に一人の小姓は直に下って代りの汁椀を持って出てそれと引替える...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...昼間の涼しさに引替へふけるにつれてます/\激しくなるのに堪へかね...
永井荷風 「来訪者」
...その仲人(ちゅうにん)は山崎譲」「ナニ」「この槍と望月の若主人とを引替えてもらいたい」「黙らっしゃい」「黙れとは?」「言わせておけば方図(ほうず)もない...
中里介山 「大菩薩峠」
...槍と引替えに」「よし...
中里介山 「大菩薩峠」
...引替えの品は確かに頂戴した...
中里介山 「大菩薩峠」
...かりにも豊太閤の面影と引替えになったということになってみると...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかる上は健三離縁本籍と引替に当金――円御渡し被下(くだされ)...
夏目漱石 「道草」
...これは習った事を直ぐにそのまま現金と引替に出来ぬ方で...
新渡戸稲造 「教育家の教育」
...それでは引替へにお代を上げますよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...偽の本国ドルと引替えに...
久生十蘭 「あなたも私も」
...出た時の勢(いきおい)に引替えて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...第十九回お勢は一旦(いったん)は文三を仂(はした)なく辱(はずかし)めはしたものの、心にはさほどにも思わんか、その後はただ冷淡なばかりで、さして辛(つら)くも当らん※が、それに引替えて、お政はますます文三を憎んで、始終出て行けがしに待遇(もてな)す...
二葉亭四迷 「浮雲」
...全くつかれとは引替えにならないから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...兼て引替御用を勤めてゐた...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...引替御用とは爲換方(かはせかた)を謂(い)ふのである...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
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