...昨日(きのう)の栄華に引替えて娘は明暮不幸を喞(かこ)ち...
泉鏡花 「活人形」
...それに引替え、三万円の貯金と、バラックながら二軒の家持ちの桂子、私は子供の頃、ひとから(おまんこ倉)と綽名(あだな)される、美貌の未亡人の白塗りの倉を持った家が近くにあったのを思いだす...
田中英光 「野狐」
...平公夫婦の毎日里の方へ下りて行くのに引替へて...
田山花袋 「歸國」
...一椀の飯を尽されると共に一人の小姓は直に下って代りの汁椀を持って出てそれと引替える...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...食鹽一升の闇値は白米二升引替なりと云...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...槍と引替えに」「よし...
中里介山 「大菩薩峠」
...それでは引替えにお代を上げますよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...普賢像を引替える折を狙(ねら)いました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...取替へ引替へ妾をつれ込んで來るんですから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...のたうち廻ッて腸(はらわた)を噛断(かみちぎ)る……初の快さに引替えて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...出た時の勢(いきおい)に引替えて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...文三は奥坐舗を出ようとする、お勢はその頃になッて漸々(ようよう)起きて来て、入ろうとする、――縁側でぴッたり出会ッた……はッと狼狽(うろた)えた文三は、予(かね)て期(ご)した事ながら、それに引替えて、お勢の澄ましようは、じろりと文三を尻眼(しりめ)に懸けたまま、奥坐舗へツイとも云わず入ッてしまッた...
二葉亭四迷 「浮雲」
...これが生活必需品と引替に彼が与えるべき唯一の貨物である...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...単なる商工業国においては、国内の競争と資本の豊富とは、粗生生産物に比較して工業品の価格を著しく下落せしめるので、工業に使用される資本の増加は、これと引替えに、増加せる食物量を獲得し得ないこともあろう...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...そしてそれと引替えに得られる見返り輸入品の量を減少するに過ぎないのである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...同時に支那は、食料品は莫大にあり領域は広大なので、輸出と引替えに、この国の生活資料の年貯蔵が眼につくほど増すほどの分量を輸入することが出来ないということも、これと等しく明かである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...全くつかれとは引替えにならないから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...輸入貨物と引替にかかる高価な財貨を輸出することは出来ないであろう...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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