...そして葉子には目もくれずに激しく岡を引っ立てるようにして散歩に連れ出してしまった...
有島武郎 「或る女」
...小さな手をぐいと引っ立てるように歩き出した...
田中英光 「箱根の山」
...名所旧跡の案内者のいちばん困るのは何か少しよけいなものを見ようとすると No time, Sir ! などと言って引っ立てる事である...
寺田寅彦 「案内者」
...「さあおいで」とねえさんは引っ立てるように内へはいる...
寺田寅彦 「竜舌蘭」
...さあおれの部屋まで来いと引っ立てると...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...黙って縄を打って引っ立てると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いやに落着き払った八五郎を引っ立てるように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...本当の下手人はどんな細工をするか解らない――歩きながら聴くとしよう」平次は半次と助七を引っ立てるように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...八五郎はお雪を引っ立てるように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...引っ立てるような恰好でつれて来たのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...久世氏があたしを引っ立てるようにして...
久生十蘭 「キャラコさん」
...罪人でも引っ立てるようにして来て花を座敷の真ン中に突きやると...
久生十蘭 「魔都」
...九兵衛は引っ立てるように彼女の腰を立たせて...
吉川英治 「江戸三国志」
...ここでいおうとする自己硬論を引っ立てるワキ役に引きだしていたようなものだった...
吉川英治 「三国志」
...不届き者め」萱乃(かやの)の襟(えり)がみをつかんで、叱りながら、引っ立てると、「嫌です、嫌です」娘は、筵(むしろ)へしがみ伏して、「――家へは帰りません」と必死でいった...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索