...下駄が浮くと、引く手が合って、おなじく三本の手が左へ、さっと流れたのがはじまりで、一列なのが、廻って、くるくると巴(ともえ)に附着(くッつ)いて、開いて、くるりと輪に踊る...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...全く愚民の信仰を引く手段に過ぎざるなり...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...「何っ?」力任せに引く手首を...
直木三十五 「南国太平記」
...引く手にして足踏みおかしくはじめると...
中里介山 「大菩薩峠」
...はたりと引く手を留めた...
夏目漱石 「虞美人草」
...平次の引く手に従って土中の箱の蓋は簡単に開き...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そっと袖を引く手にたじろぎました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...引く手あまたの人氣娘でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まことに引く手あまたではあつたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...水々しい銀杏返しの頭、裾を引いた市松模様の着物、手にひるがえす銀扇、豊醇に熟(う)れきった身体のこなしが、柔軟に、音もなく、舞台のうえをすべって、さす手、引く手に、いいようもない妖(あや)しい色気がただよう...
火野葦平 「花と龍」
...あの面影の女の袖を引く手を振りほどいて帰ってしまったのは...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...その引く手あまたの一少女の...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「みそぎ河(がは)瀬々にいださんなでものを身に添ふかげとたれか頼まん『ひくてあまたに』(大ぬさの引く手あまたになりぬれば思へどえこそ頼まざりけれ)とか申すようなことで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その押す手引く手や腰構えの姿態美は...
夢野久作 「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」
...「おッ」と引く手に乗って新九郎...
吉川英治 「剣難女難」
...殊に、槍には、突く手、撲(なぐ)る手、引く手の、三益がある...
吉川英治 「宮本武蔵」
...丑之助の引く手綱は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...専門の画家が画くとすればあの直線を引く手間で普通に写実的な手を描いてしまうであろう...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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