...大運搬船を引く小蒸汽の刻をきざむ様な響とが...
有島武郎 「かんかん虫」
...青々と引く波に走るのを見ては...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...前の牛も我が引く牛も今は落ちついて靜に歩む...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...籤を引く時とこしへの居住となして漫々の 190海をわれ得つ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...院外の水源地から引くには...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...棚引く煙を紗(しゃ)の帯の如く纏(まと)うて見たり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...引くことも進むこともできねえで困っているのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...物凄(ものすご)き北の国まで引くが故(ゆえ)に...
夏目漱石 「草枕」
...――この通り」平次は兩手へ紐を絡(から)んで引くと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いきなり姐さんちよいと待つて貰はうか――と袖を引くと振り向きもせずにあつしの手を拂つた」「フーム」「癪(しやく)にさはるから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...小僧の口占(くちうら)を引く奴が居るんだ」「それがどうしたんで」と...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...手紙もたびたび送っては人目を引くであろうからと思って...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...群集は跡へ引く...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...たわやかな細く長く引く線は...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...扉(ドア)に近い健策が大急ぎで把手(ハンドル)を引くと扉(ドア)の外の暗いリノリウムの床に...
夢野久作 「復讐」
...急に身を引くこともならず...
横光利一 「馬車」
...車輛に何臺も載せて引くやうな負傷者を出してしまふ...
吉川英治 「折々の記」
...丑之助の引く手綱は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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