...頤(あご)で突きやると、向うへ動き、襟を引くと、ふわふわと襟へついて来る...
泉鏡花 「薄紅梅」
...自分のいつも特別に注意を引くから/\笑ひも...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...綱を引く事によって水からの恐怖がまずさり...
海野十三 「恐竜島」
...はるか後方まで白い航跡を引く...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...見事な尾を引く二条の白浪...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...僕はこの訪問に幕を引くことにした...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「グローリア・スコット号」
...未来長く尾を引くもののように感じられた...
豊島与志雄 「反抗」
...誠一が手を引く...
永井隆 「この子を残して」
...また知らない英語が出て来たら、字引を引く、今五十銭も出すといくらも字引が出来ておる、安いものです...
新渡戸稲造 「人格の養成」
...ゾッとしたように身を引くと...
野村胡堂 「悪人の娘」
...何も彼もお前に任せて俺は手を引く...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...このベツトの横に幕のやうに引くんだわよ...
牧野信一 「痴日」
...さても、戦(いくさ)の有様見てあれば、だ、利あらずと見て逃げるは天狗、追うは田沼勢、府中は小川のあたり、ドンドンパチパチ大砲(おおづつ)小筒、鳴るは蜂の頭、引くは天狗の鼻、さあてこの次第如何相成りまするか、ただ今、ホコダ塚に於て合戦真最中! 天狗が水戸へ逃げるか、田沼が江戸へ逃げるか、さあ、評判じゃ評判じゃ! 今出来たての三州屋は早耳瓦版、ことの次第はみんな出ている! 一枚が三文、二枚で五文だ、おまけに長州勢に取りつめられた京都のことまでみんなわかる! さあ、買ったり買ったり! オヤオヤ、誰も買わねえのかい? 呆れた貧的ぞろいだなあ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...膳部(ぜんぶ)を引く頃(ころ)に...
森鴎外 「佐橋甚五郎」
...(メフィストフェレス鈴索を引く...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...人には引けない蟇目(ひきめ)(強弓)をよく引くほどな鍛(きた)えもある...
吉川英治 「私本太平記」
...尊氏も引くいろではなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...刷るというよりあれは罫線機械にかけて引くといった方が適切かもわからない...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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