...京都の方がよっぽどいいね」「だって早く東京へ引き越す、引き越すって、毎日のように云っていらしったじゃありませんか」「云ってた事は、云ってたが、来て見るとそうでもないね」と椽側で足袋(たび)をはたいて座に直った老人は、「茶碗が出ているね...
夏目漱石 「虞美人草」
...現に僕が家(うち)を持つ時なども鬼門(きもん)だとか八方(はっぽう)塞(ふさが)りだとか云って大(おおい)に弱らしたもんだ」「だって家(うち)を持ってからその婆さんを雇ったんだろう」「雇ったのは引き越す時だが約束は前からして置いたのだからね...
夏目漱石 「琴のそら音」
...何でも引き越すと云う三日前に例の坊主の所へ行って見て貰ったんだそうだ...
夏目漱石 「琴のそら音」
...引き越す時に盗んで行きたかったくらいだ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...内を東京へ引き越すようになるかも知れないという話がおりおりある...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...もう六十幾つとかになるが、綺麗好きで、東京中を歩いて、新築の借家を捜して借りるが、少し古びて来ると、すぐ引き越す...
森鴎外 「雁」
...さっさと引き越すのだと云うのである...
森鴎外 「雁」
...それへ引き越すとすぐに仲平は松島まで観風旅行をした...
森鴎外 「安井夫人」
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