...急に疑の種をば引き戻すに至りしなるべけれ...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...すべてを最初の状態に引き戻すに十分であって...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...また冷めたい現実の世界に引き戻すのは可哀想です...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「和製椿姫」
...子供を引き戻すような訳に行かないことは云う迄(まで)もないが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...若旦那を正道に引き戻すにはこいさんを奥さんに持たして上げるより外に方法はない...
谷崎潤一郎 「細雪」
...濫費に偏しているものを一日だけ引き戻すのはかえって危険な場合があるかもしれない...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...「だがアリョーシカはなんと言っても寺から引き戻すよ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...其専門化して歪められたる方向を正しきに引き戻すのは...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...これを上へ引き戻すには四日からかかりますからな...
中里介山 「大菩薩峠」
...男はこの笑を引き戻す訳(わけ)には行くまい...
夏目漱石 「虞美人草」
...だからただ兄さんを私のような人並な立場に引き戻すだけなのです...
夏目漱石 「行人」
...人間的に引き戻す機会もあり得た...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...ウロウロと鉄棒をかいさぐっている山木の肩に手をかけて力任せに引き戻すのである...
久生十蘭 「魔都」
...もはや何物を以つてしても引き戻す術がなかつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...四囲の事情はもうこの傾きを引き戻すことはほとんどできない...
柳宗悦 「工藝の道」
...必ずしも昔に引き戻すことを必要とせぬ...
柳田國男 「名字の話」
...T「黙って居りゃいい気になってよくも俺達の面に泥塗って呉れた」逃げんとする仲蔵の襟がみとって引き戻す...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...女へのみれんな気持を引き戻すことはできないと思った...
山本周五郎 「さぶ」
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