...町中を車で引き廻した揚句の果てに...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...やつを部屋じゅう引き廻してやる...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...提灯を片手に、腰に手鉤(てかぎ)を、或る人は棒をもって、後から出る手当の祝儀を、何う使おうかと、微笑したり、長屋の小娘に「お前も、あやかるんだぞ」と、云ったり、その間々に「出ちゃあいけねえ」とか「早く通れっ」とか、怒鳴ったり――小藤次の家は、幕を引き廻して、板の間に、金屏風を、軒下の左右には、家の者、町内の顔利きが、提灯を股にして、ずらりと、居流れていた...
直木三十五 「南国太平記」
...もう新兵衛はキリキリと引き廻して咽喉笛(のどぶえ)をかき切り見事な切腹を遂げてしまった...
中里介山 「大菩薩峠」
...その刀を引き廻し...
中里介山 「大菩薩峠」
...テンピにかけて焼いたろかあんなヘナチヨコ詩人の詩百科辞典を引き廻し鳥の名や花の名やみたこともないそれなんかひつぱり出して書いたつて――だがそれ程想像力があればね――やい!いつたい何が表現出来ました?自棄のない詩は神の詩か凡人の詩かそのどつちかと僕が決めたげます...
中原中也 「(テンピにかけて)」
...浅黄色(あさぎいろ)の手拭染(てぬぐいじ)みた三尺帯を腰骨の上へ引き廻して...
夏目漱石 「坑夫」
...三人が一枚の上衣を引き廻しているように見える...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...右手にキリキリと脇差を引き廻します...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...どうぞよろしくお引き廻しのほどを)と推薦し...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...迷宮様に道筋を引き廻した図や...
南方熊楠 「十二支考」
...陸を引き廻してくれるのである...
森鴎外 「渋江抽斎」
...学生どもの鼻柱を撮(つ)まんで引き廻している...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...迷(まよい)の衢(ちまた)をどことなく引き廻して歩かせ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...それではそろそろ引き返そうか」と馬の首を引き廻しましたが...
夢野久作 「白髪小僧」
...そして脇腹の短刀を引き廻しながら...
吉川英治 「私本太平記」
...京都の町々を引き廻しにして曝(さら)した...
吉川英治 「新書太閤記」
...早いがよい」「首の座は?」「槙島の野」「引き廻しますか」「…………」考えていたが...
吉川英治 「新書太閤記」
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