...かねてここと見定(みさだ)めて置いた高架鉄道の線路に添うた高地(こうち)に向って牛を引き出す手筈である...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...次長は中味を引き出すと低い声で...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魂の喘ぎ」
...重く引き出す肩息に...
谷崎潤一郎 「刺青」
...ちょうど人間が前車の顛覆(てんぷく)を忘れたころにそろそろ後車を引き出すようになるからであろう...
寺田寅彦 「天災と国防」
...政治や経済の規定を文化から引き出すことになるだろう...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...物質から生じるのではなく――Modalitt に属する実在からはそれにぞくさない空間を引き出すことは一切不可能であるから――...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...自分の階級の必然的な終焉(しゅうえん)を理論から引き出すことに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...弾薬車から霰弾(さんだん)の箱を引き出すような音を耳にし...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...こゝから胎兒を引き出すことは出來なかつたらしい)胎兒を取り出し...
中山太郎 「安達ヶ原の鬼婆々異考」
...ここから引き出すことが出来ぬからだと聞いている...
中山太郎 「屍体と民俗」
...それは俺から一層緊張した力を引き出すであらう...
長與善郎 「青銅の基督」
...他者の証言から推断を引き出すのに性急に過ぎ...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...「観念自身」に関しても同様の推断を引き出すに違いない...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...松風を添へて山寺の風致を引き出すわけである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...それを引き出すのに数人の力を合せて...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...ズバリと殺(や)っておくんなさいよ――本堂へ引き出すからさ――」――ケッ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...活きた蛇が穴中に曲りその腹の麟板が多処に鈎り着き居るを引き出すは難事と見え...
南方熊楠 「十二支考」
...しかし一方で魔法の杖のように新しい資質へよびかけそれを引き出すものです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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