...すみからすみまできちんと小ぎれいに片付いているのに引きかえて...
有島武郎 「或る女」
...大いそぎで引きかえしていきました...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「雪の女王」
...やがて手に一ちょうの銃をもって引きかえしてきた...
海野十三 「海底大陸」
...引きかえしてきた...
海野十三 「地底戦車の怪人」
...博士の評判は少しわるい方へ引きかえした...
海野十三 「超人間X号」
...また山に引きかえして来て...
太宰治 「姥捨」
...落したのだ、と思ってしまって、すぐ引きかえし、あちこち見廻しながら歩いていると、よその小さい若いおかみさんが、風呂敷ですか、そこにありますよ、と笑いながら教えてくれた...
太宰治 「春の盗賊」
...やがて引きかえして来て...
田中貢太郎 「母の変死」
...されば大阪の方からゆくと新京阪の大山崎でおりて逆に引きかえしてそのおみやのあとへつくまでのあいだにくにざかいをこすことになる...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...母はそれに引きかえて...
中里介山 「大菩薩峠」
...引きかえに金を渡す者からはむろん即座に受け取るが...
夏目漱石 「三四郎」
...喜色満面に溢(あふ)れていたるに引きかえ...
長谷川時雨 「モルガンお雪」
...すぐまた二人のいるところへ引きかえして来ると...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...折も折、夜来の雨が今朝晴れて、あたりの風景は水々しいきらびやかさに満ち溢れ、さんらんたる陽(ひかり)は実(げ)にも豪華な翼を空一杯に伸べ拡げてうらうらとまどろんでいるが、それに引きかえ、不断(ただ)でさえ日の眼に当ることなしに不断にじめじめと陰険な渋面をつくって猜疑(さいぎ)の眼ばかりを据えているあの憎たらしい坂道は、どんなにか滑り易い面上に、意地悪な苦笑を湛(たた)えながら手ぐすね引いて気の毒な旅人を待ち構えていることだろう!――私は、この坂道と戦うための用意に自分のとゼーロンのと、一束にした草鞋(わらじ)と一歩一歩踏み昇る場合の足場を掘るためのスコップとを鞍の一端に結びつけて来たのであるが、今、それが私の眼の先で、ゼーロンの跛の脚どりにつれてぶらんぶらんと揺れているのを眺めると胸は鉛のようなもので一杯になってしまった...
牧野信一 「ゼーロン」
...」夏はそとへ出たが、すぐ引きかえし、「お見えになりません...
室生犀星 「童子」
...おのれの命と引きかえに夫の乱暴から逃れようと決心した...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それに引きかえて値段の高い晦日蟹の塩茹となりゃあ...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...金子(きんす)と引きかえに...
吉川英治 「神州天馬侠」
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