...風邪でも引かないように気をつけて頂戴!」と夜具の襟(えり)に頬を埋めて眩(まぶ)しそうに薄眼をしながら言った...
橘外男 「生不動」
...どうせ言い出したからには後へは引かないと思ったのでしょう...
橘外男 「蒲団」
...兎(と)に角(かく)めったに風邪一つ引かないと云う点では...
谷崎潤一郎 「細雪」
...だれの目も引かないでいた...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「手早い奴」
...八十歳で死ぬまで一度も風邪を引かないような人があったら...
寺田寅彦 「変った話」
...なにしろ明治四十四年まで電燈を引かないで石油ランプを点(とも)していたほど不精な自分なのである...
寺田寅彦 「ラジオ雑感」
...槍を手元へ引かないで...
中里介山 「大菩薩峠」
...「この家(うち)ではまだ電気を引かないのか」と顔つきにはまったく縁のないことを聞いた...
夏目漱石 「三四郎」
...「有難いことにろくな風邪も引かないよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...風邪は引かないかも知れませんが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...几帳面に引かないと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...成程あの男か」「大弓は引かないが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その椅子をさう遠くへ引かないで...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...この仮装服は現場に合うばかりでなく人目を引かないし...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...面倒そうにちらと見た手紙類はどれも特段興味を引かない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...水車で搗(つ)いたお米はどうしても水分がありますから水を引かないで柔く出来ますし...
村井弦斎 「食道楽」
...袋の中で風邪を引かないようにね...
夢野久作 「支那米の袋」
...「ウウム、弱った!」腹の底でうめいていると、その時また、うしろの小声が甘い襟(えり)おしろいの匂いをふくんで、「サ、早く引かないと、横合いからさらわれてしまいますよ」と、お粂が見すました止めの値頃(ねごろ)を符牒で教えてくれたので、金吾はその通りに二声ほど呼ぶと、ポンと、首尾よく面箱はかれの手に落ちましたが、さて、その金です...
吉川英治 「江戸三国志」
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