...大きい弓なりのピアノの音に熱心に耳を傾けていました...
芥川龍之介 「河童」
...空中に美しい弓なりの弧(こ)を描(えが)いているところでした...
田中英光 「オリンポスの果実」
...弓なりにまげた背中を軽くたたきながら言った...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「カシタンカ」
...弓なりの砂濱が遙かにつゞいて居る...
長塚節 「鉛筆日抄」
...口が稍弓なりに上へ反つて顎のがつしりとした勝氣らしい顏である...
長塚節 「商機」
...弓なりの網を持つた人はもう遥かに「ウタレ」を走りつゝ小さくなつて居る...
長塚節 「隣室の客」
...真白な砂浜が弓なりに静かな青い夏の海をふちどつてゐるのに屡々出会ふのである...
中谷宇吉郎 「真夏の日本海」
...街道は白く弓なりに迂廻(うかい)しているので忽(たちま)ち私は彼らの遥(はる)か行手の馬頭観音の祠(ほこら)の傍らに達し...
牧野信一 「鬼涙村」
...弓なりに迂回しながら冬枯れの裏山を指して脚速く遡つてゐた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...弓なりに擂り鉢のふちを駆け続けて...
牧野信一 「ゼーロン」
...心もち弓なりになったクロムウェル街を...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...太平洋に弓なりにかかって...
宮本百合子 「新しいアジアのために」
...南と北に弓なりに張られていて...
宮本百合子 「木の芽だち」
...まるく盛り上った膝がしらへかけて弓なりになった豊かな肉線の上を...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...そうして只さえ弓なりに曲った腰を一層低くして...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...原古才から蛙ヶ鼻までは幾ぶん弓なりに内ぶところを拡げてゆく...
吉川英治 「新書太閤記」
...弓なりの反(そ)りをもたせて築いてあった...
吉川英治 「新書太閤記」
...同じく弓なりに寄せている小波が遥かに白く続いていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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