...さっき資生堂で見た顔の婦人が五人迄も式服を着て通るのに行き合せたが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...一定の式服といふものの持つ効果はたしかにあつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...どんな式服を着ていたかと聞かれると...
寺田寅彦 「錯覚数題」
...眼も覚めるような茜色の式服を取出して自慢らしく繰り拡げながら鶴子の方に振り返り...
久生十蘭 「魔都」
...この娘は前回に於て夜の十二時頃縫い上げた式服を松谷鶴子のところへ持って来た...
久生十蘭 「魔都」
...蝶々さんの式服に白いウチカケを着て三三九度の盃をするとか...
三浦環 「お蝶夫人」
...式服の白羽二重の裾からいきなり桃色の綿ネルを出して上ずった眼付で歩いているのに沢山出会いました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ほんの時折(ときおり)着る式服なればこそ...
柳田国男 「木綿以前の事」
...というよりも式服を極度に簡略にしただけのもので...
柳田国男 「木綿以前の事」
...仮に式服礼服に重きをおこうとも...
柳田国男 「木綿以前の事」
...松の内の登城ですから、無論式服、熨斗目(のしめ)の裃(かみしも)に長袴(ながばかま)、袴の括(くく)りは大玄関の板敷へ上がるとすぐに下ろして裾(すそ)を曳くのが通例でした...
吉川英治 「江戸三国志」
...式服を解くとすぐ云い出した...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼には式服の厚着と例の皮膚の腫物(できもの)とが人知れぬ苦痛らしかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...筑州殿」至極、風采のあがらない秀吉は、式服となっても、大紋の着ばえもせず、列座の中ではどう見てもやはり野生のものでしかない...
吉川英治 「新書太閤記」
...衣冠式服をかなぐり捨てた梁山泊の男たちの...
吉川英治 「新・水滸伝」
...すぐ式服を着替えた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...(いずれにせよ、今、将軍の一師範になって、それを以て、甘んじてしまったら、自分の道業もまずは知れたものといえよう)朝の陽のかがやく道を、彼は式服を着、見事な鞍の駒にまたがり、栄達の門へと、そうして一歩一歩近づいておりながら、なお、心のどこかでは、満足しきれないものがあるのだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...いつになく糊目(のりめ)のついた式服すがたの武蔵...
吉川英治 「宮本武蔵」
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