...老病死の解決を叫んで王者の尊を弊履(へいり)のごとくに捨てられた大聖釈尊(しゃくそん)は...
伊藤左千夫 「紅黄録」
...今の次官よりも重く見られた文部権(ごん)大書記官の栄位を弊履の如く一蹴(いっしゅう)して野に下り...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...官を棄つる事弊履の如しで……」「尚だ官に就かんのぢやないか...
内田魯庵 「貧書生」
...その恋を弊履(へいり)の如く打棄て...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
......
関口存男 「移轍(Anakoluth)」
...自分はこのような得意を捨てるに弊履の如くあれと店員に命じておくのである...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...則重に対する忠誠を弊履(へいり)の如く捨てゝしまったのである...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...それであの親切な情誼(じょうぎ)の厚い田舎の人たちは切っても切れぬ祖先の魂と影とを弊履のごとく捨ててしまった...
寺田寅彦 「田園雑感」
...『弊履のごとく』振り棄てられたからに相違ないのだ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...故に彼は之を棄つること弊履の如く夫れ輕かりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...故に彼は之を棄つること弊履の如く夫れ軽かりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...陸軍少佐の職を弊履の如く捨てた...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...大衆の実質的興味が衰えるとともに弊履(へいり)のようにすてておしまれないだろうという点だ...
平林初之輔 「昭和四年の文壇の概観」
...直ちに位を棄(す)つること弊履(へいり)の如くであった...
穂積陳重 「法窓夜話」
...社会理想に燃えてその富を弊履の如く捨てることを書いた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...そうして利用するだけ利用して最早(もはや)使い手がないとなると弊履(へいり)の如く棄ててかえりみないところに...
夢野久作 「近世快人伝」
...何で弊履(へいり)のごとく捨てられようか...
吉川英治 「新書太閤記」
...中国七州を弊履(へいり)のごとく捨ててしまい...
吉川英治 「親鸞」
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