...或る眞理と或る價値とを體得しない者がその眞理と價値とを口舌の上で弄ぶことである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...擧動を弄ぶことであつた...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...各所で演説會を開いて過激な言論を弄ぶやうになつては從來會場を貸して居た佛教及び耶蘇教の會堂でも其を斷るやうになつた...
石川啄木 「日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象」
...人間の子を育てるのはお雛様や人形を弄ぶのとは少し訳が違う...
大杉栄 「獄中消息」
...物を弄ぶのはその物の真髄を知らないからである...
種田山頭火 「赤い壺(三)」
...空しく言(こと)を弄ぶ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...学位論文式な観点から之を弄ぶことは全く無意味であるだけに...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...あなたのおっしゃる文字を弄ぶ方が本職で...
中里介山 「大菩薩峠」
...愛の玩具は互に弄ぶをもって原則とする...
夏目漱石 「虞美人草」
...必ずしも春一がはじめから小夜子を弄ぶ気であったとは主張しません...
浜尾四郎 「死者の権利」
...浜口 あいつは戦地で自動車の運転をおぼえてきて、あっというような無茶な運転をする……危険に賭け、危機を弄ぶ、そういう気質の男は、いつかは、かならず失敗する……わざとあんなところに追いあげておいたのは、おれの心の深いところに、いつかは失敗(しくじ)るだろう、失敗(しくじ)ってくれればいいという、願望があったわけだ...
久生十蘭 「喪服」
...酔余(すいよ)或は花を弄ぶなど淫(ウカ)れに淫れながら...
福沢諭吉 「女大学評論」
...都(すべ)て父母の利心に生じて子を弄ぶものなれば...
福沢諭吉 「新女大学」
...恰も猫が自分の尾を弄ぶ様に...
牧野信一 「喜劇考」
...弄ぶでもなく、運ぶでもなくに運ばれた一つの物體が、どこかの果に漂ひ寄つたとしても、そこに人間の發見の目がなかつたならば、それは偶然とも言へないのである...
水野仙子 「夜の浪」
...因って嘉儀の物と為しこれを弄ぶ〉とある...
南方熊楠 「十二支考」
...自分の創作慾は〔十七字略〕政治家と稱される人間が憲政を弄ぶのとは...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...世を弄ぶつもりの彼や純友一味の輩(ともがら)も...
吉川英治 「平の将門」
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