...――或は彼を生んだ聖霊はおのづから彼を飜弄(ほんろう)し出した...
芥川龍之介 「西方の人」
...孝子は用もない帳簿などを弄(いぢく)つて...
石川啄木 「足跡」
...今罪の神に翻弄(ほんろう)せられつつあるのであれど...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...茶器弄りをさえさせるようになったのだった...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...私がもう一度自分の良心を弄ぶように誘惑されたのは...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...さながら老翁の孫女を弄(もてあそ)ぶが如し...
高山樗牛 「瀧口入道」
...いつも生きものを半分弄(なぶ)り殺しにしてその儘抛つておく樣なこのみのるの...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...嘲弄(ちょうろう)を許さなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...即ち病的の考えを弄していることを明かにしているのです...
長岡半太郎 「湯川博士の受賞を祝す」
...弄(もてあそ)ぶべきものを弄ぼうとして...
中里介山 「大菩薩峠」
...この三十円も運命の翻弄が生んだものである...
夏目漱石 「三四郎」
...朋輩の女子ども岡燒ながら弄(から)かひては...
樋口一葉 「にごりえ」
...ワットが鉄瓶の湯気を弄(もてあそ)んで蒸気の働きに疑いを生じたるがごとく...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...すぐに友達仲間で嘲弄(ちょうろう)する...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...父竜池は毎(つね)に狂歌を弄(もてあそ)んだが...
森鴎外 「細木香以」
...参木は彼女の唇の端に流れた嘲弄を感じると...
横光利一 「上海」
...思うさま二人の体を翻弄(ほんろう)した...
吉川英治 「剣難女難」
...遊女のように恋を弄(もてあそ)んで来たのか...
吉川英治 「源頼朝」
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