...その証拠には自分の如く平生好んで悪辣な弁舌を弄する人間でも...
芥川龍之介 「兄貴のような心持」
...――同時に又相手を翻弄(ほんろう)する「あそび」の精神に富んでゐた彼も必(かならず)しも偉大でないことはない...
芥川龍之介 「澄江堂雑記」
...急にまた嘲弄(あざわら)うように笑いかけて...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「黒猫十三」
...死後に心ないものの手で弄(いぢ)くりまはされるのをきらつたやうに...
薄田泣菫 「茶話」
...このやうに兎に意地悪く飜弄せられ...
太宰治 「お伽草紙」
...散々弄んだ末に、梅吉は十分三平を睡らせて、皆(みんな)と一緒に其処を引き上げて了いました...
谷崎潤一郎 「幇間」
...古来多くの科学者がこのために迫害や愚弄(ぐろう)の焦点となったと同様に...
寺田寅彦 「科学者と芸術家」
...現在科学の極限を見極めずして徒(いたず)らに奇説を弄(ろう)するは白昼提灯(ちょうちん)を照らして街頭に叱呼する盲者の亜類である...
寺田寅彦 「方則について」
...お作はうつむいて灰を弄(いじ)っていた...
徳田秋声 「新世帯」
...坂田が誘惑して弄んだことを知っていた...
豊島与志雄 「坂田の場合」
...自分の身をつないでる鎖をこわすだけの力がなくてそれを弄(もてあそ)んでる奴隷にはよい手段かもしれないが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ああ世人の名を喜んでその実は問わざるや若し名目を弄ぶに巧なるものあって名を忠孝と衛生とに借らんか...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...自分は愚弄(ぐろう)されながらも...
夏目漱石 「坑夫」
...是レ迄我ガ邦人ノ全ク之ヲ玩弄物トシ...
※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]上漁史 「好古小言」
...徒に浮華に流れて虚文を弄ぶが如き...
福沢諭吉 「新女大学」
...美わしき執政杖と無慈悲なる斧とをふみにじり翻弄するが如し...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...悪魔の戯弄(からかい)かわからないままに...
夢野久作 「瓶詰地獄」
...其(その)富と不良な好奇心とを以(もつ)て異邦の若き女子を飜弄(ほんろう)する事を恥ぢない英米の偽善的男子であると想像する...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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