...」哲学者のマツグは弁解するやうにかう独り語を洩らしながら...
芥川龍之介 「河童」
...そうすれば僕の父親を断頭台へ送ることになるんだからね」烏帽子岩への道で、諸戸は、弁解する様に、そんなことを云った...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...こういうことを人民がいうときは何をもってこれを弁解する...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...いくらか弁解するやうに...
田山録弥 「犬」
...……それもなか/\出来ることは出来る人なの……」低い声で独り恥辱(はじ)を弁解するように言った...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...頭を使う人は歯が悪くなると言って弁解するのは後者であり...
寺田寅彦 「自由画稿」
...少し怪しい呂律(ろれつ)で弁解するのだったが...
徳田秋声 「縮図」
...弁解する気にもなれなかった...
豊島与志雄 「田舎者」
...弁解するつもりではないとしても...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...田中亮助に弁解する気にさえなれなかった...
豊島与志雄 「土地に還る」
...弁解するよりも突っかかっていった...
豊島与志雄 「反抗」
...「それがその、ほかの事と違いまして、現在自分の家がありながら、葬式の席をかせと申しがたいことでもござりまするし、それに、当人が、第一よろしくござりませぬ、それ故に死んだ後までも親類中に忌(い)み嫌われて、葬式の席を貸そうと申し出でる者も無いこと故に……」用人が、かく弁解すると、貴公子は、「だから、この家でやるがよい、わしはいっこうかまわぬのじゃ」「それが、甚(はなは)だ恐れ多い儀でござりまして、当人は不浄の上に、人より天罰と申されるほどな非業(ひごう)の死を遂げた人間でござりまするが故……」「うむ、天罰、何かよほどの悪いことをしたのかな」「淫楽に耽(ふけ)りまして、目も当てられぬ挙動(ふるまい)をのみ、致しおったそうでござります」「ナニ、淫楽に耽った……」「はい」「淫楽――というのも程度問題じゃな、これだけの家を踏まえている主人として、妾(めかけ)の一人や二人あったからとて、死んだ後まで、そう嫌わんでもよいではないか」貴公子が存外、さばけて挨拶をするのを、用人は、いっそう恐縮して、「それがその、男性でござりませぬが故に……」「男性? 男ではないのか、この家の元の主人は」「はい、夫なるものは死に失せまして、後家を立てておりましたが、いやはやどうも、箸にも棒にもかからぬ淫婆でござりまして……」「おお、そうか、女主人であったのか」「はい」しかしながら、女主人であるが故によいとも、悪いとも言わず、碁の手が難局になったと見えて、そこで貴公子は沈黙してしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...実際寒くなっても着て出るものがないんだと弁解するので...
夏目漱石 「門」
...やはりそうだった」と弁解するように呟いた...
久生十蘭 「蝶の絵」
...弁解する気にもなれないほどバカらしいと思うのだが...
久生十蘭 「肌色の月」
...成功を誇るよりもむしろ弁解する様子を広めることになりはしないかと危惧する...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...もう明らかになったのに弁解することくらい...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...私は弁解することが嫌ひなので...
三好十郎 「「地熱」について」
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