...先刻(さつき)は急(いそが)しい時で……』と諄々(くどくど)弁疏(いひわけ)を言つて...
石川啄木 「足跡」
...『怎うもしないのに!』と自分に弁疏(いひわけ)して見る傍から...
石川啄木 「鳥影」
...蔭(かげ)にも日向(ひなた)にも美妙のため弁疏する事が出来ないで...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...別に弁疏(いひわけ)がましい事もせず...
薄田泣菫 「茶話」
...もしかこの人が弁疏(いひわけ)がましい隠し立などしないで...
薄田泣菫 「茶話」
...自分の政友会入りを弁疏(べんそ)して...
薄田泣菫 「茶話」
...彼らは幸徳らの事に関しては自信によって涯分を尽したと弁疏するかも知れぬ...
徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
...ただ弁疏的な役割しか果さないであろう...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...「いつ頃(ごろ)から雨が降り出したか御母さんはちっとも知らなかったよ」母はさも愛想(あいそ)らしくまた弁疏(いいわけ)らしく口を利(き)いて...
夏目漱石 「行人」
...ちゃんとした弁疏(エクスキュウズ)がある...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...泣いても笑つても一通りの弁疏(いひわけ)はしておかずばなるまいて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...誰が誰に向って書いても同じような弁疏(いいわけ)めいた事しか書けそうもなかった...
堀辰雄 「ほととぎす」
...お荷物でも持って差上げればよろしかったのですが……」と弁疏(いいわけ)らしくいった...
松本泰 「秘められたる挿話」
...弁疏の余地はなくなるのだ!加多 事実...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...「弁疏無し」と答えました...
夢野久作 「鼻の表現」
...私はオイッケンのような学者やハウプトマンのような芸術家が今度の戦争の牽強(けんきょう)の弁疏(べんそ)を独逸(ドイツ)のためになさねばならなかったのを気の毒に思っている...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...身の罪を弁疏(いいわけ)するのは...
吉川英治 「三国志」
...弁疏(べんそ)の余地がない...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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