...自分の事のように心で弁疏(べんそ)した...
有島武郎 「或る女」
...先刻(さつき)から三度目の同じ弁疏(いひわけ)を...
石川啄木 「赤痢」
...『怎うもしないのに!』と自分に弁疏(いひわけ)して見る傍から...
石川啄木 「鳥影」
...蔭(かげ)にも日向(ひなた)にも美妙のため弁疏する事が出来ないで...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...決して等閑に付しおるに非じ」と、弁疏してあった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...ただ弁疏的な役割しか果さないであろう...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...そう弁疏するだろうと思う...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...将来かかる事を材料として声明書は出さないという弁疏をさえさせられることになったのである...
戸坂潤 「社会時評」
...毎年の弁疏(べんそ)も遂に聴入るる気色(けしき)なし...
永井荷風 「小説作法」
...自己の一身上のための弁疏(べんそ)哀願は後廻しにして...
中里介山 「大菩薩峠」
...ちゃんとした弁疏(エクスキュウズ)がある...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...誰が誰に向って書いても同じような弁疏(いいわけ)めいた事しか書けそうもなかった...
堀辰雄 「ほととぎす」
...王も種々弁疏(べんそ)し牛は死を恐れ...
南方熊楠 「十二支考」
...玄機は毫(ごう)も弁疏(べんそ)することなくして罪に服した...
森鴎外 「魚玄機」
...古来貞操に関する疑(うたがい)を受けて弁疏(べんそ)する能(あた)わず...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...「弁疏無し」と答えました...
夢野久作 「鼻の表現」
...こう涙して弁疏(べんそ)したということである...
吉川英治 「私本太平記」
...何としても弁疏(べんそ)の道がない...
吉川英治 「新書太閤記」
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