...併し小さい反抗と弁疏とを離れた腹の底からの自信...
阿部次郎 「帰来」
...秋野教師が遅刻の弁疏(いひわけ)を為(し)い/\入つて来て...
石川啄木 「足跡」
...弁疏もきかずいきなり解散を命じた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...自分の政友会入りを弁疏(べんそ)して...
薄田泣菫 「茶話」
...彼らは幸徳らの事に関しては自信によって涯分を尽したと弁疏するかも知れぬ...
徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
...そう弁疏するだろうと思う...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...弁疏的な口実の拠り処でしかない...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...将来かかる事を材料として声明書は出さないという弁疏をさえさせられることになったのである...
戸坂潤 「社会時評」
...毎年の弁疏(べんそ)も遂に聴入るる気色(けしき)なし...
永井荷風 「小説作法」
...己(おのれ)の行為に対する弁疏(べんそ)にしたものであった...
永井荷風 「ひかげの花」
...自己の一身上のための弁疏(べんそ)哀願は後廻しにして...
中里介山 「大菩薩峠」
...泣いても笑つても一通りの弁疏(いひわけ)はしておかずばなるまいて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...お荷物でも持って差上げればよろしかったのですが……」と弁疏(いいわけ)らしくいった...
松本泰 「秘められたる挿話」
...王も種々弁疏(べんそ)し牛は死を恐れ...
南方熊楠 「十二支考」
...弁疏の余地はなくなるのだ?加多 事実...
三好十郎 「斬られの仙太」
...古来貞操に関する疑(うたがい)を受けて弁疏(べんそ)する能(あた)わず...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...「弁疏無し」と答えました...
夢野久作 「鼻の表現」
...何としても弁疏(べんそ)の道がない...
吉川英治 「新書太閤記」
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