...その昔の寿童丸(じゅどうまる)――成田兵衛(なりたのひょうえ)の子の成れの果て、播磨房弁円は、自分の幼少と、綽空の幼少時代とを、瞼(まぶた)に描き較(くら)べていた...
吉川英治 「親鸞」
...――さあ寝よう」吠えたける犬を抱いて、弁円は、元の場所で眠ってしまった...
吉川英治 「親鸞」
...播磨房(はりまぼう)弁円...
吉川英治 「親鸞」
...播磨房(はりまぼう)弁円と名乗っておる人物」「弁円? ……私もどこかでその名は聞いたような気がする...
吉川英治 「親鸞」
...弁円の打ち込んできた杖を小脇へ抱きこんだ...
吉川英治 「親鸞」
...住蓮か安楽房かが、病気のためだとは称しているが、弁円は、そのうわさを麓(ふもと)で聞くと、すぐ、(こいつはおかしい)と直感した...
吉川英治 「親鸞」
...弁円は一人麓に降りて...
吉川英治 「親鸞」
...弁円は、小声で、「上々の首尾さ...
吉川英治 「親鸞」
...かねて弁円から聞いていることによって叡山(えいざん)の卑劣な奸策(かんさく)が大きな動因となっているのをよく知っているからである...
吉川英治 「親鸞」
...弁円一人の私怨であったが...
吉川英治 「親鸞」
...オオ、筑波といえば、あれへ来るのは柿岡へやった野武士たちらしい」待ちかまえている所へ、毛皮の胴着に、野刀を佩(は)いた荒くれ男が四、五人、息をせいて、「弁円殿、ここにか」「待ちかねていた...
吉川英治 「親鸞」
...たしかに」「ではどこに――」「あの爼板岩(まないたいわ)の辺りから――そういえば沢辺(さわべ)のほうへ降りたのかも知れぬ」弁円と甲賀坊の押し問答を聞きながら...
吉川英治 「親鸞」
...眉間(みけん)に青白い焦躁を刻んでいる弁円の顔もあった...
吉川英治 「親鸞」
...播磨公(はりまのきみ)弁円が...
吉川英治 「親鸞」
...この弁円の心に棲んでいた魔のしわざ...
吉川英治 「親鸞」
...弁円のあれほどな意気込みを挫(くじ)いたものもその親鸞の素裸(すはだか)な態度にほかならない...
吉川英治 「親鸞」
...……その余のことすべて、今となっては、詫言(わびごと)もない、五十になって、弁円は初めて、おん身を知り、自分の愚鈍を知り申した...
吉川英治 「親鸞」
...弁円は大地に膝を改めて...
吉川英治 「親鸞」
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