...お小夜はその駈け廻るように忙しい中でも...
伊藤左千夫 「新万葉物語」
...叫喚楚毒(きょうかんそどく)の声は車の廻るように耳の中で渦を捲いていた...
田中貢太郎 「令狐生冥夢録」
...学生たちを荒らし廻る?………そんな事が有り得るだろうか? 有り得る...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...それが下駄を片手にぶらさげて跣足(はだし)で田の畦(あぜ)を逃げ廻るのを...
寺田寅彦 「五月の唯物観」
...新屋敷の裏手へ廻る...
寺田寅彦 「鴫つき」
...到底こんなに早く火が廻るはずがないと思われたほど早かったと...
中里介山 「大菩薩峠」
...絵の具箱と帽子を置いたまま右手へ廻る...
夏目漱石 「草枕」
...旗本は旗本に違ひありませんがこの邊に住んでゐるのは、軒並恐ろしい貧乏で、お勝手へ廻ると、まことにさんたんたる浮世小路です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何もあわて廻ることなどいらない...
久生十蘭 「魔都」
...広間じゅうを営々としてのたくり廻るのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...自由に遊び廻る気にはなれないので縁近いところでつまらなくすくんでいた...
水上滝太郎 「山の手の子」
...詩は現実から立ち上って歌うが散文はその中を走り廻るにすぎないと云っています...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いざりながら狂い廻る)犬畜生! 士なんぞ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...八月十日シベリヤを廻る準備のため...
横光利一 「欧洲紀行」
...ばたばたと暴れ廻るトム公を...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...敵の首を求めて駈けずり廻る...
吉川英治 「私本太平記」
...駈け廻るのだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...戦前にも増して近村へ食糧あつめに自転車でかけ廻るを日課とす...
吉川英治 「年譜」
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