...彼の振り廻す幅広の剣は...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...見廻すと、裏手の蓆戸(むしろど)の前には、さっき彼に後を見せた、あの牛飼いの若者が、これも眼を血走らせたまま、相手の危急を救うべく、今度は大きな桶を一つ、持ち上げている所であった...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...紡車(いとぐるま)を我々と逆に廻すところに反対に事をする一例がある...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...それは次の人に廻す前に...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...私の部屋部屋をきょときょとと眺め廻す...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...南へ廻すと、玄関からの入口を半分塞(ふさ)いでしまうし、東へ出すと暗くなる、と云って、残る一方へ立てれば床の間を隠すので、宗助は、「せっかく親爺(おやじ)の記念(かたみ)だと思って、取って来たようなものの、しようがないねこれじゃ、場塞(ばふさ)げで」と零(こぼ)した事も一二度あった...
夏目漱石 「門」
...鼻唄で押し廻すほど酔って居りました...
野村胡堂 「踊る美人像」
...この上は店の方へでも行つて見ようとフト四方(あたり)を見廻すと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ただあわてて自分たちの包みを廻すのだった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...運動には相違ありませんが僕のは体育や精神修養やの目的ではなくて、朝(あした)は竜巻になつて襲ふて来る煙りに似た悲しみと闘ひ、夕べは得体の知れぬ火に似た情熱に追はれて奮戦し――といふ風な孤独の騒ぎで、だから僕は馬に乗る、オートバイで駆け廻る、フエンシングの練習をしてゐる、棒高飛びをする、機械体操を試みる、大酒を喰ふ、舟を漕ぐ、夫婦喧嘩をする、美女を追ひ廻す、水泳を行ふ……等と種々様々な活動をしますが、以上挙げたもののうちの幾つかは別としても、僕のは決してノルマルな型をもつて技に従ふといふのではなくて、自分では解りませんが、おそらくその姿のだらしなく、醜く、若し眺める者があれば噴飯の値もなく忽ち顔を反むけるに違ひないのです...
牧野信一 「僕の運動」
...島に上りて見廻すほどに二十余歳らしい清げな男来て汝たちを我が迎え寄せたるを知らずや...
南方熊楠 「十二支考」
...いい様に掻き廻すものをどうして置くわけがあるんですい...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...どこへ廻すにしても...
三好十郎 「猿の図」
...キヨロキヨロと店内を見廻す)金助 おゝ...
三好十郎 「地熱」
...泡が極く細かになったのをまた根気好く攪き廻すとドロドロしたものになります...
村井弦斎 「食道楽」
...棒のようにそれを振り廻すほど修業がないわけではありません...
吉川英治 「江戸三国志」
...自分で後ろへ廻すと...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...我々は寺田さんの随筆を読むことにより寺田さんの目をもって身辺を見廻すことができる...
和辻哲郎 「寺田寅彦」
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