...焼け延びるだけ延びた火の手は俄然(がぜん)として真西に変って来た...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...死刑執行の延びるのを赦免のしるしだと思っている...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...空間はひろがり延びるところの延長の連続として感ぜられはじめるのである...
中井正一 「美学入門」
...湿(しめ)れば延びる...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...延びれば延びるほどよし子が困る...
夏目漱石 「三四郎」
...けれどもその経験はただ広く面積の上において延びるだけで...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...少しは延びる見込みがあると思ったんだ」と真面目な顔をして妙な理窟(りくつ)を述べていると門口(かどぐち)のベルが勢(いきおい)よく鳴り立てて頼むと云う大きな声がする...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...這々(ほうほう)の体で一丁ばかり逃げ延びると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これでも延びるかと押へるやうな仕方に...
樋口一葉 「ゆく雲」
...今つから延びる事が出來なくては仕方が無い...
樋口一葉 「わかれ道」
...南北に延びる岬の端まで行って見たが...
久生十蘭 「海豹島」
...その物にしつかりからみついて夏の夜明にずんずん延びる勢ひは即ち少女の勢ひで誰もこれを押へることは出来ない...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...昨夜開演が二時間延びるといふさわぎありし由...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...お見舞いくださいましたこの感激でまた少し命も延びる気がします...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...場末がどこまでも際限なく延びる...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...それに後れるようなら帰りは延びる...
山本周五郎 「新潮記」
...果てしなく延びる書棚から取り出した戦慄的な書物を読み...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...もしも失敗(しくじ)ったら! 延びるたびにほっとするのだ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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