...晋陽の府廨(やくしょ)から来た吏(やくにん)が検案(けんあん)しているところであった...
田中貢太郎 「竇氏」
...「これ、そんなことをもうしてはならんというに、南は有名な世家だ、そんなことをする人柄じゃない」「いや、南でございます、南三復はわたくしの家へ来て、わたくしの眼を窃んで、わたくしの女をだまして、児を生ませました、村の衆も知っております」「それでは、府廨へこい、府廨で検べる」吏は女と児の死体を舁(かつ)がせ、廷章を伴れて引きあげて往ったが、廷章の詞は理路整然としていて誣告(じょうだん)でもないようであるから、南を呼びだすことにして牒(つうち)を南の家へだした...
田中貢太郎 「竇氏」
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