...廓内には、今や政府の用に使用される建物が沢山ある...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...吉原田圃の全景を眺めるには廓内京町(くわくないきやうまち)一二丁目の西側...
永井荷風 「里の今昔」
...お角と共に宇津木兵馬が再び吉原の廓内へ引返した時分には騒動は鎮(しず)まって...
中里介山 「大菩薩峠」
...その時、一方、吉原の廓内では、思いもかけぬ天上から、ひらひらと落花の舞うが如く、幾多の紙片が落ちて来るから、或る者は欄干(てすり)から手を伸ばし、或る者は屋根へ上り、或る者はまた物干へ駆け上って、その紙片を手に取って見ると、それはいずれも、あらたかな神仏のお札であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...魚とるためなり彦根城廓内鵯の晴を鳴く樹のさや/\に葛も薄も秋の風吹く天主閣にのぼる名を知らぬ末枯草の穗に茂き甍のうへに秋の虫鳴く夕...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...廓内の藝人を總仕舞にして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一頃廓内(なか)で鳴らしましたよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お顧客(とくい)は廓内に居つゞけ客のなぐさみ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...いま廓内(なか)よりの歸りと覺しく...
樋口一葉 「たけくらべ」
...山車屋臺(だしやたい)に町々(まち/\)の見得(みえ)をはりて土手(どて)をのぼりて廓内(なか)までも入込(いりこ)まんづ勢(いきほ)ひ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...何處(どこ)で始(はじ)まつた廓内(なか)は鳥居前(とりゐまへ)か...
樋口一葉 「たけくらべ」
...廓内のもののような顔をして柳朝...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...廓内で五指を屈するに足る幇間のひとりが...
正岡容 「吉原百人斬」
...足は自然に廓内へ向う...
山本笑月 「明治世相百話」
...廓内の一邸(やしき)に住んでいたので...
吉川英治 「新書太閤記」
...叡山復興(えいざんふっこう)敵性人は絶対にいないはずの廓内(かくない)でも...
吉川英治 「新書太閤記」
...廓内の大樹にもみな火がついて...
吉川英治 「親鸞」
...母は、昼間の幾時間かを、廓内の一妓楼へ、お針さんに通い出していたのである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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