...いたましく廃頽(はいたい)した...
有島武郎 「或る女」
...圧せられるやうな懶い一種廃頽的な感じが身をとりまいた...
飯田蛇笏 「薄暮の貌」
...堂宇廃頽(はいたい)して...
泉鏡花 「一景話題」
...世紀末的な廃頽(はいたい)せる現代に於(おい)て...
海野十三 「省線電車の射撃手」
...世道の廃頽も人心の堕落も即座に撤回することが出来て...
丘浅次郎 「人類の将来」
...その廃頽(はいたい)の意識を捨てて...
太宰治 「花燭」
...階下から聞こえて来る土人女の廃頽的(はいたいてき)な民謡も...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...もっともこの中立地帯の産物はその地帯の両側にある二つの世界の住民から見るとあるいは廃頽的(はいたいてき)と見られあるいは不徹底とののしられるかもしれない...
寺田寅彦 「映画雑感(※[#ローマ数字7、1-13-27])」
...またある人は唯物論的思想の流行による国民精神の廃頽のせいだと思い込む...
寺田寅彦 「猫の穴掘り」
...あたかも過去の女性かと思われるほどの廃頽(はいたい)のなかに見出されるのを感ずるのであった...
徳田秋声 「仮装人物」
...手のつけようもないほど廃頽(はいたい)しきっているのであった...
徳田秋声 「爛」
...それはシュテファン・フォン・ヘルムートという廃頽(はいたい)派の大詩人であって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...されば寛政末年より享和(きょうわ)の始めに至る時代風俗の変遷と共に歌麿美人の身長もまた極端に馳(は)せ遂(つい)にその特徴たる廃頽(はいたい)的情味を形造(かたちづく)るに至りしが享和の末よりはややその身長の度を減ずるに従ひ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...即ち廃頽と進歩との現象のあまりに甚しく混雑している今日の大川筋よりも...
永井荷風 「日和下駄」
...それはそれなりに廃頽した美しさを示している...
久生十蘭 「魔都」
...そんな廃頽的な生活ばかりしていていいッてことはあるまい...
久生十蘭 「魔都」
...この廃頽は、享楽慾の或る好淫的な洗練を招来するものです...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...歌があっても廃頽的(はいたいてき)な室内のものだけだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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