...いたましく廃頽(はいたい)した...
有島武郎 「或る女」
...民族の廃頽でもなければ国家の危険でもないのである...
内田魯庵 「四十年前」
...世紀末的な廃頽(はいたい)せる現代に於(おい)て...
海野十三 「省線電車の射撃手」
...いずれの時か廃頽期でなかろう)物質主義に対する反抗のあまりいくらか茶道の思想を受け入れた...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...廃頽(はいたい)やが何処(どこ)の隅にも見ることが出来ない...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...以前の廃頽(はいたい)生活から救ひ出される事が出来た経歴を持つて居り...
高村光太郎 「智恵子抄」
...当今世界の近代美は爛熟(らんじゅく)と廃頽(はいたい)と自暴自棄とに落ち込んでいる...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...鎌倉期の中興を経てついに再び廃頽堕落するに至った室町時代に及んで...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...連句はその末流の廃頽期(はいたいき)に当たって当時のプチブルジョア的有閑階級の玩弄物(がんろうぶつ)となったために...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...実際世間で純粋な芸術が人倫に廃頽的(はいたいてき)効果を与えるといって攻撃する人たちのいう事も無理でないと思われて来る...
寺田寅彦 「自画像」
...時には廃頽的でさえある問題であるかに見えることは...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...このギリシャ式の服をまとってる廃頽(はいたい)した東ゴートの気障(きざ)な文学ぐらい...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...成功のために廃頽(はいたい)して...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...藝道の廃頽嘆くもおろかなり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...既ち廃頽と進歩との現象のあまりに甚しく混雑してゐる今日(こんにち)の大川筋(おほかはすぢ)よりも...
永井荷風 「水 附渡船」
...人倫の廃頽(はいたい)も亦極れりと謂うべきである...
永井荷風 「申訳」
...そのまゝ廃頽(はいたい)の淵(ふち)に落ち込むのが見えてゐるのだ...
林芙美子 「浮雲」
...吏民(りみん)ともに廃頽にまかせ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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