...淫蕩な田舎侍に荒らされた東京の廃頽気分とが結び付いて勢い女道楽とならざるを得なかった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...世道の廃頽も人心の堕落も即座に撤回することが出来て...
丘浅次郎 「人類の将来」
...現代文明の廃頽的傾向を済(すく)ふには...
薄田泣菫 「茶話」
...廃頽(はいたい)やが何処(どこ)の隅にも見ることが出来ない...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...以前の廃頽(はいたい)生活から救ひ出される事が出来た経歴を持つて居り...
高村光太郎 「智恵子抄」
...殊に近代に於ける世界の美をその廃頽(はいたい)から再起せしめる事に十分に役立ち...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...廃頽(はいたい)した...
谷崎潤一郎 「細雪」
...廃頽(はいたい)した快感が古い葡萄酒(ぶどうしゅ)の酔いのように魂をそそった...
谷崎潤一郎 「秘密」
...またある人は唯物論的思想の流行による国民精神の廃頽のせいだと思い込む...
寺田寅彦 「猫の穴掘り」
...こうした輪廻(サイクル)の道程がもう一歩進んで堕落と廃頽の極に達し俳句が再び「宗匠」と「床屋」の占有物となる時代が来ると...
寺田寅彦 「明治三十二年頃」
...手のつけようもないほど廃頽(はいたい)しきっているのであった...
徳田秋声 「爛」
...珍々先生は自己の廃頽趣味に絶対の芸術的価値と威信とを附与して...
永井荷風 「妾宅」
...即ち廃頽と進歩との現象のあまりに甚しく混雑している今日の大川筋よりも...
永井荷風 「日和下駄」
...しかもその廃頽(はいたい)した気分に...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...寧ろ廃頽的なリベラリストである! と私は思つた...
牧野信一 「真夏の朝のひとゝき」
...神経組織の急激な非歴史的な野蛮な廃頽に到達せられた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...もっとした廃頽的雰囲気(アトモスフィーア)を感じさせようが為であったろう...
宮本百合子 「印象」
...そうしてギルドの衰頽(すいたい)(すなわち資本制度の勃興)と工藝の廃頽(はいたい)とは併行する...
柳宗悦 「工藝の道」
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