...そこには葉子自身が期待もしなかったような廃頽的(はいたいてき)な同時に神経質的なすごくも美しい一つの顔面が創造されていた...
有島武郎 「或る女」
...十 椿岳の畸行作さんの家内太夫入門・東京で初めてのピヤノ弾奏者・椿岳名誉の琵琶・山門生活とお堂守・浅草の畸人の一群・椿岳の着物・椿岳の住居・天狗部屋・女道楽・明治初年の廃頽的空気負け嫌いの椿岳は若い時から誰でも呑(の)んで掛って人を人臭いとも思わなかった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...民族の廃頽でもなければ国家の危険でもないのである...
内田魯庵 「四十年前」
...世紀末的な廃頽(はいたい)せる現代に於(おい)て...
海野十三 「省線電車の射撃手」
...日本は従来比較的厳格なる封建制度を以て民風の廃頽を制しつつ来たものであるけれども...
大隈重信 「婦人問題解決の急務」
...今日とても既に世道の廃頽...
丘浅次郎 「人類の将来」
...以前の廃頽(はいたい)生活から救ひ出される事が出来た経歴を持つて居り...
高村光太郎 「智恵子抄」
...以前の廃頽(はいたい)生活から救い出される事が出来た経歴を持って居り...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...その廃頽(はいたい)の意識を捨てて...
太宰治 「花燭」
...その廃頽(はいたい)と暗示...
谷譲次 「踊る地平線」
...あたかも過去の女性かと思われるほどの廃頽(はいたい)のなかに見出されるのを感ずるのであった...
徳田秋声 「仮装人物」
...既ち廃頽と進歩との現象のあまりに甚しく混雑してゐる今日(こんにち)の大川筋(おほかはすぢ)よりも...
永井荷風 「水 附渡船」
...そのまゝ廃頽(はいたい)の淵(ふち)に落ち込むのが見えてゐるのだ...
林芙美子 「浮雲」
...それはそれなりに廃頽した美しさを示している...
久生十蘭 「魔都」
...そんな廃頽的な生活ばかりしていていいッてことはあるまい...
久生十蘭 「魔都」
...伯龍のやうな廃頽期の江戸の世相人心を描破するものにとつては...
正岡容 「吉原百人斬」
...もっとした廃頽的雰囲気(アトモスフィーア)を感じさせようが為であったろう...
宮本百合子 「印象」
...こんな廃頽趣味であることからも解るようにとても妙に偏屈なとこがあって...
蘭郁二郎 「足の裏」
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