...そこには葉子自身が期待もしなかったような廃頽的(はいたいてき)な同時に神経質的なすごくも美しい一つの顔面が創造されていた...
有島武郎 「或る女」
...民族の廃頽でもなければ国家の危険でもないのである...
内田魯庵 「四十年前」
...若し人類の不治の病なる世道の廃頽を医し得る者があつたならば...
丘浅次郎 「人類の将来」
...殊に近代に於ける世界の美をその廃頽(はいたい)から再起せしめる事に十分に役立ち...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...ただ生理的にむしろ廃頽的(はいたいてき)な効果を与えるのみではないかという疑いがある...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...実際世間で純粋な芸術が人倫に廃頽的(はいたいてき)効果を与えるといって攻撃する人たちのいう事も無理でないと思われて来る...
寺田寅彦 「自画像」
...それはこの時計の進むにつれて墜落し廃頽(はいたい)して行く...
寺田寅彦 「時の観念とエントロピーならびにプロバビリティ」
...あたかも過去の女性かと思われるほどの廃頽(はいたい)のなかに見出されるのを感ずるのであった...
徳田秋声 「仮装人物」
...廃頽派(はいたいは)の文学者や画家や批評家からおもに成り立っていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...されば寛政末年より享和(きょうわ)の始めに至る時代風俗の変遷と共に歌麿美人の身長もまた極端に馳(は)せ遂(つい)にその特徴たる廃頽(はいたい)的情味を形造(かたちづく)るに至りしが享和の末よりはややその身長の度を減ずるに従ひ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...珍々先生は自己の廃頽趣味に絶対の芸術的価値と威信とを附与して...
永井荷風 「妾宅」
...神経組織の急激な非歴史的な野蛮な廃頽に到達せられた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...家族の血統の廃頽(世俗的)のとき芸術家が出るとしています...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...廃頽(はいたい)に溺れてもいられない...
柳宗悦 「工藝の道」
...そうしてかかる美が常に繊弱と廃頽(はいたい)とを伴うことは否定することができない...
柳宗悦 「工藝の道」
...廃頽(はいたい)に溺(おぼ)れてもいられない...
柳宗悦 「民藝四十年」
...官の廃頽(たいはい)によるというが...
吉川英治 「三国志」
...荒涼とした廃頽的(はいたいてき)なこの原が...
蘭郁二郎 「自殺」
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