...それによつて血統の廃頽を救つてゐると言はれてゐるが...
薄田泣菫 「茶話」
...私を破れかぶれの廃頽(はいたい)気分から遂に引上げ救ひ出してくれたのは彼女の純一な愛であつた...
高村光太郎 「智恵子抄」
...鎌倉期の中興を経てついに再び廃頽堕落するに至った室町時代に及んで...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...廃頽(はいたい)した...
谷崎潤一郎 「細雪」
...実際世間で純粋な芸術が人倫に廃頽的(はいたいてき)効果を与えるといって攻撃する人たちのいう事も無理でないと思われて来る...
寺田寅彦 「自画像」
...綱紀紊乱(こうきびんらん)風俗廃頽(ふうぞくはいたい)などという現象も多くはこれに似た事に帰因する...
寺田寅彦 「路傍の草」
...それはシュテファン・フォン・ヘルムートという廃頽(はいたい)派の大詩人であって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...爛熟し尽せる江戸文明の漸く廃頽期(はいたいき)に向はんとする前兆を示すものならずや...
永井荷風 「江戸芸術論」
...そのまゝ廃頽(はいたい)の淵(ふち)に落ち込むのが見えてゐるのだ...
林芙美子 「浮雲」
...神経組織の急激な非歴史的な野蛮な廃頽に到達せられた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...もっとした廃頽的雰囲気(アトモスフィーア)を感じさせようが為であったろう...
宮本百合子 「印象」
...家族の血統の廃頽(世俗的)のとき芸術家が出るとしています...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...廃頽(はいたい)に溺れてもいられない...
柳宗悦 「工藝の道」
...そうしてギルドの衰頽(すいたい)(すなわち資本制度の勃興)と工藝の廃頽(はいたい)とは併行する...
柳宗悦 「工藝の道」
...廃頽(はいたい)に溺(おぼ)れてもいられない...
柳宗悦 「民藝四十年」
...世の中の廃頽(はいたい)も...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...吏民(りみん)ともに廃頽にまかせ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...荒涼とした廃頽的(はいたいてき)なこの原が...
蘭郁二郎 「自殺」
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