...仮名遣改定案は――たとへば「ゐ」「ゑ」を廃するは繁を省ける所以なるべし...
芥川龍之介 「文部省の仮名遣改定案について」
...私が絶対に全廃することが出来ないとでも云つてゐるかのやうにむきになつてゐらつしやるやうですが...
伊藤野枝 「青山菊栄様へ」
...一体その人たちは本気で六年間かゝれば全廃することが出来るとの確信があるのでせうか...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一五年六月号)」
...宗教も道徳も廃するわけにはゆかぬ...
丘浅次郎 「理想的団体生活」
...この危険な土角造(トウカツづく)りの民家を全廃することはそう容易ではないらしい...
寺田寅彦 「災難雑考」
...入りては飾を廃すること無し……これ則ち心を専らにして色を正すと謂う」とあり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...法律がそれらの悲しむべき職務を廃する日の近からんことを...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...所有権を廃することなくそれを普遍的ならしめて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...数年来わたくしは宿痾(しゅくあ)に苦しめられて筆硯(ひっけん)を廃することもたびたびである...
永井荷風 「正宗谷崎両氏の批評に答う」
...せんだって○○は朝飯(あさめし)を廃すると胃がよくなると云うたから二三日(にさんち)朝飯をやめて見たが腹がぐうぐう鳴るばかりで功能はない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...安煙草を半分にちぎったり、火鉢の中の吸いかけを捜すくらいなら、いっそ、全廃するに限る...
野村胡堂 「胡堂百話」
...文部省はまったく廃するに非ず...
福沢諭吉 「学問の独立」
...酒飲みでも一旦酒を廃すると汁粉(しるこ)党に変る事がある...
正岡子規 「病牀六尺」
...いはんや国文に漢字を廃するも漢字は永久に滅びざるをや...
正岡子規 「墨汁一滴」
...池や山の形にだけ以前の面影を残して荒廃する庭を...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...」前詩を見れば蘭軒は翅(たゞ)に酒を廃するのみならず...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...それがよいとなると王をも廃する...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...殉死の習慣を廃するために埴輪人形を立て始めたということになっているが...
和辻哲郎 「人物埴輪の眼」
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