...サッカーボールを追いかけて、子犬は庭中を奔竄した...
...必しも不円満な家庭中の人許(ばか)りは居るまい...
伊藤左千夫 「家庭小言」
...庭中に赤い煙のやうなものがとんでゐました...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...まるで庭中が馬になったような感じがした...
梅崎春生 「庭の眺め」
...たゞ此蔭(かげ)に遊びて風雨に破(やぶ)れ易(やす)きを愛(あい)す「はせを野分(のわき)して盥(たらひ)に雨をきく夜哉」此芭蕉庵の旧蹟(きうせき)は深(ふか)川清澄町(きよすみちやう)万年橋の南詰(づめ)に対(むか)ひたる今或侯(あるこう)の庭中(ていちゆう)に在り...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...庭中(ていちゆう)池のほとりに智勇の良将宇佐美駿河守刃死(じんし)の古墳(こふん)在(あ)りしを...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...庭中を蔽(おほ)うて仕舞つた...
相馬泰三 「夢」
...諸人の庭中に言上する事を聞かしめ給ふ...
太宰治 「右大臣実朝」
...庭中何処を捜しても居ないのである...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...庭中の花と云う花も蔭(かげ)に入り...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...庭中に撒き散らして...
豊島与志雄 「花子の陳述」
...池が一つあるために庭中が凉しくなるような気がするのよ...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...園丁五郎を呼び蝋梅芍薬瑞香など庭中の草木に寒中の肥料を施さしむ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...最早や庭中何処を見ても花と云ふものは一つもない...
永井荷風 「花より雨に」
...雨の糸は高い空から庭中の樹木を蜘蛛の巣のやうに根気よく包んで居る...
永井荷風 「花より雨に」
...お庭中うたつて歩きました...
野口雨情 「つね子さんと兎」
...ほうきの先で庭中をころがし歩いたり...
羽仁もと子 「女中訓」
...平常閉してある庭中の幽雅は木々草石の上にこもっていて...
室生犀星 「庭をつくる人」
...土工の許す限り先(ま)ず庭中に幾つもの池を穿(うが)ち...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
便利!手書き漢字入力検索