...あなたはその少女に近づく時(全く固定的な道徳観念を度外視しても)...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...諸戸の方でもかかる事件に対しては余りにも実際的過ぎる警察の人々を度外視しているらしく思われた...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...T博士の須磨子に対する心持を度外視しては...
田山録弥 「須磨子の死」
...以上は乗客という因子を全然度外視しての議論であるが...
寺田寅彦 「電車の混雑について」
...勝負を度外視してただ賭博そのものだけを享楽してるようである...
豊島与志雄 「上海の渋面」
...立法者は片時も道徳を度外視してはならない...
穂積陳重 「法窓夜話」
...第一囘の実測に想像される脱漏を度外視して...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...お湯に入って一時間も二時間も磨いて磨いて遂には顔の皮まで摺(す)り剥(む)く人があるけれどもそれがためにかえって食物の事を度外視して粗悪な無造作な手数のかからない生煮(なまにえ)の物ばかり食べるから顔の光沢(つや)は内部から悪くなって青いような黒いような陰気な色になり...
村井弦斎 「食道楽」
...度外視してくれたお蔭と感謝してもいい...
柳田国男 「年中行事覚書」
...すべての生命を冷眼視し、度外視して、鉄と火との激闘に熱中させる地獄の騒音……...
夢野久作 「怪夢」
...私は殆んど鑑識課の仕事を度外視しているように見えるかも知れない...
夢野久作 「暗黒公使」
...あそこは中国人を度外視しては政策の行われぬところだから...
横光利一 「上海」
...在来の意味で云ふ調和を度外視して...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...自己一身の誹謗(ひぼう)を度外視して...
吉川英治 「三国志」
...そちの眼は」あきらかな殺意に曝(さら)されている無手な自身を――その危険さも――まるで度外視しているようなそれは静かな揶揄(やゆ)だった...
吉川英治 「私本太平記」
...ここをすてて六波羅の救援に駈けつけるなどの戦法は度外視していたのである...
吉川英治 「私本太平記」
...決してお年寄りの方を度外視しているんじゃありません...
吉川英治 「親鸞聖人について」
...経済を度外視している欠点があることに気づく...
吉川英治 「宮本武蔵」
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