...私という一人の人間を度外視しては...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...他に移り行く所などはしばらく度外視してある...
丘浅次郎 「境界なき差別」
...肝腎(かんじん)の人格の修養を度外視して...
高神覚昇 「般若心経講義」
...独りよがりの茶人などが科学文明の恩沢を度外視して...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...T博士の須磨子に対する心持を度外視しては...
田山録弥 「須磨子の死」
...勢い民族国家絶対主義者としてのこの帝大教授は之を度外視して...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...都会の生活の文明的設備の不完全を度外視して...
永井荷風 「海洋の旅」
...印刷術の発明を度外視しては説明されない...
平林初之輔 「文芸は進化するか、その他」
...立法者は片時も道徳を度外視してはならない...
穂積陳重 「法窓夜話」
...お湯に入って一時間も二時間も磨いて磨いて遂には顔の皮まで摺(す)り剥(む)く人があるけれどもそれがためにかえって食物の事を度外視して粗悪な無造作な手数のかからない生煮(なまにえ)の物ばかり食べるから顔の光沢(つや)は内部から悪くなって青いような黒いような陰気な色になり...
村井弦斎 「食道楽」
...己というものを度外視しているのだ...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...すべての生命を冷眼視し、度外視して、鉄と火との激闘に熱中させる地獄の騒音……...
夢野久作 「怪夢」
...自己一身の誹謗(ひぼう)を度外視して...
吉川英治 「三国志」
...ここをすてて六波羅の救援に駈けつけるなどの戦法は度外視していたのである...
吉川英治 「私本太平記」
...受ける受けないっていうことは度外視して腰を据えてもいいということだったので...
吉川英治 「小説のタネ」
...決してお年寄りの方を度外視しているんじゃありません...
吉川英治 「親鸞聖人について」
...自分の健康も世の推移も度外視しているかたちである...
吉川英治 「随筆 新平家」
...人の思惑など度外視して...
淀野隆三 「思ひ出づるまゝに」
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