...彼らが利益を度外視して...
伊丹万作 「思い」
...金庫丈けは度外視していた...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...諸戸の方でもかかる事件に対しては余りにも実際的過ぎる警察の人々を度外視しているらしく思われた...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...他に移り行く所などはしばらく度外視してある...
丘浅次郎 「境界なき差別」
...全くツネちゃんの射的場を度外視して...
太宰治 「雀」
...独りよがりの茶人などが科学文明の恩沢を度外視して...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...私は自分の落度(おちど)を度外視して忠実な車掌を責めるような気もなければ...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...かりに五分以上の間隔を度外視して計算してみても...
寺田寅彦 「電車の混雑について」
...勝負を度外視してただ賭博そのものだけを享楽してるようである...
豊島与志雄 「上海の渋面」
...二つの町の間の道の長さを幅を度外視して考えられるのと同様である...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...お湯に入って一時間も二時間も磨いて磨いて遂には顔の皮まで摺(す)り剥(む)く人があるけれどもそれがためにかえって食物の事を度外視して粗悪な無造作な手数のかからない生煮(なまにえ)の物ばかり食べるから顔の光沢(つや)は内部から悪くなって青いような黒いような陰気な色になり...
村井弦斎 「食道楽」
...度外視してくれたお蔭と感謝してもいい...
柳田国男 「年中行事覚書」
...すべての生命を冷眼視し、度外視して、鉄と火との激闘に熱中させる地獄の騒音……...
夢野久作 「怪夢」
...私は殆んど鑑識課の仕事を度外視しているように見えるかも知れない...
夢野久作 「暗黒公使」
...そちの眼は」あきらかな殺意に曝(さら)されている無手な自身を――その危険さも――まるで度外視しているようなそれは静かな揶揄(やゆ)だった...
吉川英治 「私本太平記」
...ここをすてて六波羅の救援に駈けつけるなどの戦法は度外視していたのである...
吉川英治 「私本太平記」
...しぜん天皇も帝室領の拡大を度外視してはいられない...
吉川英治 「私本太平記」
...経済を度外視している欠点があることに気づく...
吉川英治 「宮本武蔵」
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