...抽象作用を度外視して世界を認識することは徹頭徹尾不可能である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...心の奥底では度外視してはいなかった...
有島武郎 「星座」
...彼らが利益を度外視して...
伊丹万作 「思い」
...金庫丈けは度外視していた...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...諸戸の方でもかかる事件に対しては余りにも実際的過ぎる警察の人々を度外視しているらしく思われた...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...委任的政治なるものは決して国民を度外視して成り立つものではないのである...
大隈重信 「〔憲政本党〕総理退任の辞」
...他に移り行く所などはしばらく度外視してある...
丘浅次郎 「境界なき差別」
...独りよがりの茶人などが科学文明の恩沢を度外視して...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...T博士の須磨子に対する心持を度外視しては...
田山録弥 「須磨子の死」
...以上は乗客という因子を全然度外視しての議論であるが...
寺田寅彦 「電車の混雑について」
...今日もし肩書や就職を全然度外視して...
中谷宇吉郎 「淡窓先生の教育」
...二つの町の間の道の長さを幅を度外視して考えられるのと同様である...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...立法者は片時も道徳を度外視してはならない...
穂積陳重 「法窓夜話」
...お湯に入って一時間も二時間も磨いて磨いて遂には顔の皮まで摺(す)り剥(む)く人があるけれどもそれがためにかえって食物の事を度外視して粗悪な無造作な手数のかからない生煮(なまにえ)の物ばかり食べるから顔の光沢(つや)は内部から悪くなって青いような黒いような陰気な色になり...
村井弦斎 「食道楽」
...私は殆んど鑑識課の仕事を度外視しているように見えるかも知れない...
夢野久作 「暗黒公使」
...在来の意味で云ふ調和を度外視して...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...自己一身の誹謗(ひぼう)を度外視して...
吉川英治 「三国志」
...そちの眼は」あきらかな殺意に曝(さら)されている無手な自身を――その危険さも――まるで度外視しているようなそれは静かな揶揄(やゆ)だった...
吉川英治 「私本太平記」
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