...あなたはその少女に近づく時(全く固定的な道徳観念を度外視しても)...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...他に移り行く所などはしばらく度外視してある...
丘浅次郎 「境界なき差別」
...私は自分の落度(おちど)を度外視して忠実な車掌を責めるような気もなければ...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...かりに五分以上の間隔を度外視して計算してみても...
寺田寅彦 「電車の混雑について」
...勝負を度外視してただ賭博そのものだけを享楽してるようである...
豊島与志雄 「上海の渋面」
...今日もし肩書や就職を全然度外視して...
中谷宇吉郎 「淡窓先生の教育」
...例へば主體が個人であるか集團であるかなどの問題は度外視して差支がない...
波多野精一 「時と永遠」
...私は毀誉褒貶は度外視して...
火野葦平 「花と龍」
...立法者は片時も道徳を度外視してはならない...
穂積陳重 「法窓夜話」
...心の秩序を度外視してどのやうに外面の秩序を整へたにしても空疎である...
三木清 「人生論ノート」
...お湯に入って一時間も二時間も磨いて磨いて遂には顔の皮まで摺(す)り剥(む)く人があるけれどもそれがためにかえって食物の事を度外視して粗悪な無造作な手数のかからない生煮(なまにえ)の物ばかり食べるから顔の光沢(つや)は内部から悪くなって青いような黒いような陰気な色になり...
村井弦斎 「食道楽」
...私は殆んど鑑識課の仕事を度外視しているように見えるかも知れない...
夢野久作 「暗黒公使」
...在来の意味で云ふ調和を度外視して...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...そちの眼は」あきらかな殺意に曝(さら)されている無手な自身を――その危険さも――まるで度外視しているようなそれは静かな揶揄(やゆ)だった...
吉川英治 「私本太平記」
...しぜん天皇も帝室領の拡大を度外視してはいられない...
吉川英治 「私本太平記」
...受ける受けないっていうことは度外視して腰を据えてもいいということだったので...
吉川英治 「小説のタネ」
...経済を度外視している欠点があることに気づく...
吉川英治 「宮本武蔵」
...人の思惑など度外視して...
淀野隆三 「思ひ出づるまゝに」
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