...庖丁(ほうちょう)を研(と)いだり...
海野十三 「爬虫館事件」
...外から縁側へあがって庖厨(かって)の障子の破れから覗いて見ると...
田中貢太郎 「怪談覚帳」
...往来で馬の嘶(いなな)く声や人の話声がしだすと寝床を出て庖厨(かって)の戸を開けた...
田中貢太郎 「狐の手帳」
...庖丁(ほうちょう)を取る時の一種興奮したような表情...
谷崎潤一郎 「細雪」
...彼の庖丁の下で威勢よく跳ね返る明石鯛や車海老(くるまえび)のピチピチした姿も浮かんだ...
谷崎潤一郎 「細雪」
...「庖丁はさびていても...
徳田秋声 「挿話」
...鍋と庖丁は、階下のお勝手から、音を立てぬように持ってくる...
野村胡堂 「胡堂百話」
...あの庖丁は誰のだ」「知りませんよ」「江戸では滅多に見かけない形だが――」「…………」妙な睨(にら)み合い...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小形の出刄庖丁(ぼうちやう)に喉笛を刺され...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...おまけに首筋を刺身庖丁(さしみばうちやう)で切られて頓死は開闢(かいびやく)以來で――」「誰だい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...賣れ殘りの小布(こぎれ)が少しあるだけで何んにもありやしません」「刄物は」「切れさうもない菜切庖丁(ばうちやう)が一丁あるだけ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの人は板前もやるので、右刃の庖丁では使い難いと言って、出刃庖丁まで、わざわざ左刃のを作らせているくらいですもの」「それだッ」平次は小膝を叩きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...勝手元に菜切庖丁や握るらん...
樋口一葉 「花ごもり」
...気にいりの庖丁人に与えたのだという...
山本周五郎 「いさましい話」
...女房と男を庖丁で斬ったという話だからな...
山本周五郎 「へちまの木」
...新しい藁切庖丁と安いメリヤスの襯衣(シャツ)と軍隊手袋と...
夢野久作 「巡査辞職」
...それに使用した藁切庖丁(わらきりほうちょう)――――寝台から逆様(さかさま)に飛降りて自殺した患者の亀裂した頭蓋骨――――女房に擬して愛撫した枕と毛布製の人形――――手品を使うと称して...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...たくさんな庖丁人や下婢小者もいる...
吉川英治 「新書太閤記」
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