...お綱は薄刃庖丁(うすばばうちやう)を持つて來て...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...庖丁(ほうちょう)もちょっと腕が利くところから...
徳田秋声 「縮図」
...老母は錆(さ)びた庖丁(ほうちょう)を砥石(といし)にかけて...
徳田秋声 「挿話」
...庖厨より居室に通ずる階段の既に久しく腐朽せるものあり...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...菜刀といふのは庖丁のことである...
長塚節 「芋掘り」
...人切り庖丁をふり廻す時代が来たのだから...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...新しく砥(と)いだ庖丁で作った刺身から...
中谷宇吉郎 「塩の風趣」
...台所から出刃庖丁まで持出したが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...その側(そば)には磨き立てた出刃庖丁が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「猪や鮪(まぐろ)へ出刃庖丁を投った話は聞かないな...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...思はず庖丁を取落したお越...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――どうしてそんな怪我をしたんだ」「自分の持った出刃庖丁で切ったのさ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――そのうえ出刃庖丁は伝吉の家から持出したものだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お勝手の菜切庖丁だけ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...水口が露路につづく狭い台所だが、眼の不自由な老人が一人暮しをしていただけあって、庖丁の掛け場所、笊の置きどころまで、仕勝手(しがって)よく考えてあって、菜を茹るにも居まわりで用の足りる便利さといったらなかった...
久生十蘭 「虹の橋」
...罪を悔いて「庖丁かけた」と歎くのだと謂ったり...
柳田國男 「夢と文芸」
...それから出刃庖丁をゆらゆらさせ...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...その隙に藁庖丁の上に懸けて在る手綱を外して...
夢野久作 「名君忠之」
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