...後手に出刃庖丁を握って居ないばかりだ...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...まさか亭主が庖丁(ほうちょう)を持つのを見てゐる訳に行かないから...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...炬燵(こたつ)の上に庖丁(はうちやう)とおこがしを...
土田耕平 「お母さんの思ひ出」
...老母は錆(さ)びた庖丁(ほうちょう)を砥石(といし)にかけて...
徳田秋声 「挿話」
...桑を切るとて大きな桑切庖丁を左の掌(てのひら)の拇指(おやゆび)の根にざっくり切り込んだ其疵痕(きずあと)は...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...そして夢の中にも首切り庖丁の形となって現われてくる...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
......
内藤鳴雪 「鳴雪句集」
...庖厨の中で聖書を読むの機会が多くなりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...井戸端に勝藏が忘れて行つた庖丁を見ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...出刃庖丁を括(くく)り付け...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...肉切庖丁で斬り刻まれ...
久生十蘭 「悪の花束」
...一梃の大きな金槌(かなづち)とギラギラ光る出刃庖丁を持ち出して...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...第十土耳古(とるこ)飯と申す料理には色々ありますがその手軽なものは前の通りにお米一合をバターで炒(い)りつけた中へ牛肉四十目位を肉挽器械(にくひききかい)で挽(ひ)くかあるいは庖丁(ほうちょう)で細かく叩いて加えまして肉の色が変るまで掻き混ぜながらよくいためます...
村井弦斎 「食道楽」
...わけもなく出刃庖丁で殺されそくなって...
山本周五郎 「季節のない街」
...貢さんは蝋燭と庖丁とを持つて内陣(ないぢん)へ跳(と)ぶ様に上(あが)つて行つた...
與謝野寛 「蓬生」
...猪の股や肉切り庖丁などを苞(つと)にくくって持つとまた馳けだした...
吉川英治 「三国志」
...庖丁人の平九郎にでも訊いたらよかろう」「どなたもおりません」「いないことはない」「おりませぬ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...庖丁はわけなく滑り込む...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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