...その映画は社会の底流を描いている...
...私たちは底流から水を汲み上げた...
...彼女は底流の問題について研究している...
...底流には多くの生き物が暮らしている...
...彼は底流に沈んで行った...
...世は南北朝の暗澹(あんたん)たる底流の上に立って興廃常なき中に足利義満等の夢幻の如き栄華は一時に噴火山上の享楽を世上に流通せしめた...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...底流として存在する別個の精神にロマンティシズムがある...
辻潤 「自分だけの世界」
...ヒューマニズムこそは近代文化・近世思想・の概括的な底流なのである...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...いわばそれは文学に底流するかの情感...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...ヨーロッパ文化の一底流をなしている...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...そのような主観と客観との噛み合いを作家としての歴史の底流をなす社会的なものへの判断で追究し整理するより...
宮本百合子 「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」
...やっぱり何か微妙な感情の底流...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一方文学が非理性的な観念で一括されようとするのに対して経験の尊重が文学の中につよい底流をなし始めている...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...これに強い力を加えなければ到底流れ出ないであろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...不安な昂奮の底流に囚われていたのであった...
夢野久作 「少女地獄」
...なほ文化の底流に若い生命を息づいてゐることなど思へば...
吉川英治 「折々の記」
...すでに足利末期の暗黒混濁な世相の底流には...
吉川英治 「折々の記」
...この地方にもその向背(こうはい)ふたつの底流は変りなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...そして、昨年来、何か世の底流に、燻(いぶ)りに燻っていたものが、ここに火を噴いて、やがて満天満地を焦(こ)がす戦炎となろうとするのを――今は巷(ちまた)の声でなく臆測でなく、早や、眼に見たという感じだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...虚実(きょじつ)あくる日も、うわべは、無風帯の大戦場だったが、底流には、微妙なうごきが、兆(きざ)していた...
吉川英治 「新書太閤記」
...輿論(よろん)の底流作用ともいえるものだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...院を背景とする薄暗い底流窟(くつ)に...
吉川英治 「随筆 新平家」
...なお文化の底流に若い生命を息づいていることなど思えば...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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