...それは底意地の悪い挑戦的(ちょうせんてき)な調子で震えていた...
有島武郎 「或る女」
...底意地の悪い眼で何かをさがすやうにヂロリと控所の中をねめまはして行く...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...餘分に突き出たひさしの下からじツとこちらを見詰めるところは底意地が惡いのを表するのか...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...別に深く底意地(そこいじ)の悪いというほどの人ではないが...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...やはり父の底意地のわるさを憎んだ...
太宰治 「猿面冠者」
...へんに底意地の悪いような表情はしなくなっていたが...
太宰治 「惜別」
...それが今では卯女子の様子に底意地の悪い感じを加へて来たが...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...と底意地の悪い眼で睨み返して来た...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...すぐさまその唇には底意地の惡い微笑がにじみ出た...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...お客様が来たよ」「うむ」丸山勇仙は底意地悪そうな...
中里介山 「大菩薩峠」
...その侮辱(ぶじょく)は、女らしく執拗で、底意地が悪くて、傍(はた)で聞いている者も、胸が悪くなるほどだったと言いますから、お雪が小さい胸を痛めたことは言うまでもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この女の底意地の惡い物言ひや...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...底意地はつて馬鹿強情など人に嫌はるゝ事この上なし...
樋口一葉 「ゆく雲」
...しかしまた彼のことにすると、底意地の悪い、オールドミス揃いの奥女中たちに睨まれては大変と思ったからだろう、さっそく走り使いの男を呼び寄せると、お国訛りもものものしく、「コレコレ急いで鉄漿の落ちん粉を買ってまいれ!」と命令した...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...底意地の惡さうな返事をして...
三島霜川 「水郷」
...そこにブルガーコフの傍観主義や底意地のわるい嘲弄を感じたのは...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...底意地の悪るそうな高笑いが...
夢野久作 「斬られたさに」
...駄々で懶惰(らんだ)で底意地がわるい...
吉川英治 「剣の四君子」
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