...それは底意地の悪い挑戦的(ちょうせんてき)な調子で震えていた...
有島武郎 「或る女」
...繼母の聲と共に何だか底意地ありさうに聽こえたが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...餘分に突き出たひさしの下からじツとこちらを見詰めるところは底意地が惡いのを表するのか...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...やはり父の底意地のわるさを憎んだ...
太宰治 「猿面冠者」
...それが今では卯女子の様子に底意地の悪い感じを加へて来たが...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...と底意地の悪い眼で睨み返して来た...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...底意地惡くつけつけと斬りこんだ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...すぐさまその唇には底意地の惡い微笑がにじみ出た...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...彼は最も底意地悪い機嫌(きげん)をそれに対抗さした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...お客様が来たよ」「うむ」丸山勇仙は底意地悪そうな...
中里介山 「大菩薩峠」
...底意地(そこいぢ)はつて馬鹿強情(ばかごうじよう)など人(ひと)に嫌(きら)はるゝ事(こと)この上(うへ)なし...
一葉女史 「ゆく雲」
...もっと底意地のわるい顔をしている...
久生十蘭 「キャラコさん」
...よく知っていることだから」ハナの底意地の悪さは...
久生十蘭 「白雪姫」
...幼いアデェルに對して懷(いだ)いてゐる底意地(そこいぢ)の惡い嫌惡(けんを)の情を不當に洩らしたことは數へ切れない程であつた――彼女が近よりでもすれば...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...底意地の惡さうな返事をして...
三島霜川 「水郷」
...もしくは底意地の強い才智の働きを表明し...
夢野久作 「暗黒公使」
...つねに反目を持たせようと努めている幕府の底意地わるい政策にほかならないものだった...
吉川英治 「私本太平記」
...この組の者にはこの組特有な底意地のわるさと専門の智能と...
吉川英治 「新書太閤記」
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