...池はもう温(ぬる)んだらしい底光りのする水の面(おもて)に...
芥川龍之介 「竜」
...底光りのする大空の紺青だった...
有島武郎 「フランセスの顔」
...底光りする目差しで島田をじッと見つめた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...底光りして来るようにも思われますが...
太宰治 「女の決闘」
...ジロリとお里をごらんになったご隠居さまの目の底光りしてこわいこと...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...そして眼が底光りしていた...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...紺青に底光りする海のうへに朝日があかあかとのぼつてむず痒く汗を滲ませるころ砂丘のあひだの小路から漁師や女子供たちががやがやおりてきて地曳きをひきはじめた...
中勘助 「銀の匙」
...しまった佐倉炭(さくらずみ)、底光る火気、キチキチとひわれる音、燃えるガスの焔の色、そのうえには南部の鉄瓶がどす黒くのっている...
中勘助 「独り碁」
...底光りのする立派な専門家は養成されるはずがない...
中井正一 「調査機関」
...客間の調度は堂々として底光りしている...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...」かう云つて底光りのする眼で愛想よく彼に会釈した...
長與善郎 「青銅の基督」
...黒みがかつて底光りのする立派な硯箱が載せられてあつて...
北條民雄 「間木老人」
...底光りを湛えた物凄さであつた...
牧野信一 「病状」
...その黒く底光りのする細い円筒をみつめた...
山川方夫 「お守り」
...奥深く底光りするようになった...
夢野久作 「巡査辞職」
...底光(そこびか)りのする眼光をいよいよ研(と)ぎすましている...
吉川英治 「神州天馬侠」
...――ふいに枕から顔を上げてどこかを見まわす彼のひとみは底光りがしていた...
吉川英治 「親鸞」
...底光りのする眼をもって...
吉川英治 「随筆 新平家」
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