...底の知れない海だもの...
泉鏡花 「海異記」
...其(そ)の不気味(ぶきみ)な底の知れない恐怖に戦慄(せんりつ)をしていたわけだった...
海野十三 「地獄街道」
...そこから更に深い大きな底の知れない洞穴に這入れます...
江南文三 「佐渡が島から」
...自分自身がこの世の暗黒な奥底の知れない巨大な洞窟のなかに住んでいて...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...底の知れないおそろしいところがあるとつくづく感じ入りましたのでございます...
太宰治 「男女同権」
...譲は奇怪な奥底の知れない恐怖にたへられなかつた...
田中貢太郎 「蟇の血」
...しかもだんだんその憎らしさが底の知れない美しさに変って行くのでした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...底の知れない「真」の本体はかえってこのためにおおわれ隠される...
寺田寅彦 「備忘録」
...底の知れないほど意固地なところもあった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...駒井甚三郎は人間の本能性の底の知れない不検束というものを...
中里介山 「大菩薩峠」
...何んとなく底の知れない精悍(せいかん)さがあります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...底の知れない魅力を醸(かも)し出すのでしょう...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...單調だが底の知れないやうな...
堀辰雄 「鳥料理」
...我々の知人は一人々々底の知れない穴の中へ落ちて行きます...
正宗白鳥 「輕井澤より」
...底の知れない社会的不安と食糧難...
山本周五郎 「季節のない街」
...……底の知れないほど愚かな私……...
夢野久作 「少女地獄」
...底の知れないばかな者だ」と...
吉川英治 「源頼朝」
...源吉は、まだ眼をつぶって、一生懸命、ブレーキにしがみついていたが、しんと、取残されたような山の中で、汽車が止まって仕舞ったと同時に、入れ換って訪れて来たシインとした静寂は、却(かえ)って、洞穴(ほらあな)のような、底の知れない、虚無の恐ろしさだった...
蘭郁二郎 「鉄路」
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