...先づ床しいものは其家の主人である...
會津八一 「趣味の修養」
...一つとして若殿様の奥床しい御思召(おおぼしめ)しのほどが...
芥川龍之介 「邪宗門」
...と床しい人香が、はっと襲って、「不可(いけ)ませんよ...
泉鏡花 「婦系図」
...解かないでおく方が何だか奥床しい気がするじゃございませんか」...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「耳香水」
...はるかに奥床しいところがある...
丘浅次郎 「人間生活の矛盾」
...つくづくと後世(ごせ)のほども案じられてなりませぬわい」「どうやら床しい御仁体と見受け申したが...
田中貢太郎 「轆轤首」
...その絵は覚束ない弱い光りを受け留めるための一つの奥床しい「面」に過ぎないのであって...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...まことに奥床しいかをりである...
種田山頭火 「其中日記」
...大変床しい立派なことであり...
豊島与志雄 「塩花」
...いかにも奥床しいところのあるのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...床しいような気がする...
中谷宇吉郎 「九谷焼」
...床しい鈴の音(ね)が聞えて来ます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いかにも床しい数寄屋がまえなのに...
久生十蘭 「野萩」
...さて仕事にかゝらうと、部屋に床しいて、原稿紙を前にした...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...斯んな奥床しい小間使ひが...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...青簾(あおすだれ)のうちも床しい屋根船のお客へ...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...――床しい荷をになった下郎じゃ...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...どこか床しい閑雅(かんが)があった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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