...そして上方(うえ)の庇(ひさし)...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...」礼之進は提革(さげかわ)に掴(つかま)りながら、人と、車の動揺の都度、なるべく操りのポンチたらざる態度を保って、しこうして、乗合の、肩、頬、耳などの透間から、痘痕(あばた)を散らして、目を配って、鬢(びんずら)、簪(かんざし)、庇(ひさし)、目つきの色々を、膳の上の箸休めの気で、ちびりちびりと独酌の格...
泉鏡花 「婦系図」
...爾來支那の優人は常に特殊階級を形造つて宮廷若しくは諸侯の庇護の下に發達し...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...お増を蔭に庇護(かば)うようにしながら言った...
徳田秋声 「爛」
...母屋(おもや)の庇(ひさし)を渡り...
中里介山 「大菩薩峠」
...熔岩が雪庇(せっぴ)のような形に捲(ま)き垂れているが...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...正面に突き出した庇の上に...
野村胡堂 「九つの鍵」
...岸半助の裏庇(うらびさし)が燃え出したのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...庇(ひさし)が藁葺(わらぶき)で燃えがよい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...茶番と知らずに斬られた――と言ったよ」「…………」「誰かを庇(かば)っているのかと思ったら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...少しばかり右へ入った土蔵の庇合(ひさしあ)いで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それに主人の萬兵衞が死際に――」「お島の名を呼んだのは庇(かば)つてやり度かつたからだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...露次ぐちにある棗(なつめ)の枯枝や庇(ひさし)さきがひょうひょうとうめき...
山本周五郎 「柳橋物語」
...庇(かば)ってやったか...
吉川英治 「新書太閤記」
...尊公はこの女を左様に庇(かば)うのか』『実は……新見……恥かしいが...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...『…………』錣頭巾(しころずきん)の眉庇(まびさし)の陰に...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...心から庇っていた優しさは...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...おのれの宣教師庇護の理由は遠来の外国人であるが故であって他意はないという風に穏やかに出たのであったが...
和辻哲郎 「鎖国」
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