...午前十一時の裏庇(うらびさし)の下に七輪(しちりん)の火を起してゐた...
芥川龍之介 「O君の新秋」
...親のお庇(かげ)だね...
泉鏡花 「女客」
...ここを読んで私がどんなに夫を庇(かば)うために苦心したかを察してくれてもよいと思う...
谷崎潤一郎 「鍵」
...彼女は赤ん坊を庇護してるかのようである...
豊島与志雄 「裸木」
...庇護者である調所を失ったことが...
直木三十五 「南国太平記」
...殿様の庇護(ひご)の下(もと)で研究を続けて...
中谷宇吉郎 「九谷焼」
...思わず力が入って庇の上へ投り上げてしまった...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お艶に驅落をすゝめたさうですよ」「お艶は幾太郎を庇(かば)ひ乍らそんな事をペラペラ饒舌(しやべ)るのか」「へエ――」「薄情な女だな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...土藏と土藏の庇間(ひあはひ)を吹き拔ける風が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お糸が金次郎を庇つたのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大家(おおや)の庇(ひさし)の下を通して貰い...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あの庇(ひさし)には飛付くわけに行かないし...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...二階の雨戸を開けた八五郎と、庇の上の平次は、鼻と鼻が合ふほどに立つて居りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私が巴里へ来たのはそのひとたちの庇護を受けるためではなくて...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...雪庇(ゆきびさし)の軒下をえぐり取ってその向うに吹きだまりをつくっていた...
本庄陸男 「石狩川」
...飲水の手桶を庇(ひさし)の屋根に上げた家もある...
柳田国男 「雪国の春」
...一ノ関の不当を庇(かば)っているように聞えたのであろう...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...養うて下さる御主人のお庇(かげ)と常に思うていたら――その才謀(さいぼう)学識の人いちばい優れている御主人が...
吉川英治 「茶漬三略」
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