...その著るしきは先年の展覧会に出品された広野健司氏所蔵の花卉(かき)の図の如き...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...純然たる君子国を深森広野の中に建立(けんりつ)せんか...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...またたくうちに広野のはてに点のように小さくなりました...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...広野が見える室のほうが少なくも自由に呼吸する事だけはできるような気がする...
寺田寅彦 「破片」
...荒れ果てた不毛の広野の幾十年を...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...学校で使えるように整理し加減されてるのだ! 風に吹かれてる広野たる人生が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ディーニュ付近の広野のうちを暗夜に彷徨(ほうこう)した時のことを思いだした...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...かくて山科の広野原――へ来たが...
中里介山 「大菩薩峠」
...唯(ただ)我れのみは広野(ひろの)の原の冬枯れを行くやうに...
樋口一葉 「にごりえ」
...広野(ひろの)の草木(くさき)の緑に灰色を帯びさせている...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...あの広野(ひろの)を女神達(めがみたち)が歩いていて...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...闇を通つて広野原...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...日の輝く広野の嬉戯よりも薄暗い小屋の孤独を欲するような頃がやって来た...
三木清 「語られざる哲学」
...清源の陳褒別業に隠居し夜窓に臨んで坐す、窓外は広野だ、たちまち人馬の声あり、屹(きっ)と見ると一婦人虎に騎(の)り窓下より径(みち)を過ぎて屋西室の外に之(ゆ)く...
南方熊楠 「十二支考」
...動揺と異議とに委せられた広野がある...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...其勢水の堤を破りて広野を湿すが如く浩々滔々として禁ずべからず...
山路愛山 「明治文学史」
...ムッとするような草いきれの広野を...
吉川英治 「江戸三国志」
...駒場野の御用屋敷からお鷹地の広野には...
吉川英治 「剣難女難」
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