...自分と海岸との間に横たわる広野をさしておかあさんは歩きだしました...
ストリンドベルヒ August Strindberg 有島武郎訳 「真夏の夢」
...たとえば、ちょっとした空地に高さ一丈ぐらいの木が立っていて、それに日があたっているのを見てある感じを得たとすれば、空地を広野にし、木を大木にし、日を朝日か夕日にし、のみならず、それを見た自分自身を、詩人にし、旅人にし、若き愁(うれ)いある人にした上でなければ、その感じが当時の詩の調子に合わず、また自分でも満足することができなかった...
石川啄木 「弓町より」
...その著るしきは先年の展覧会に出品された広野健司氏所蔵の花卉(かき)の図の如き...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...あるときは広野をよこぎり...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...虹(にじ)立ちて雨逃げて行く広野かな昭和八年五月二十五日 丸之内倶楽部俳句会...
高浜虚子 「五百句」
...闇ヲトオッテ広野(ヒロノ)ハラ...
太宰治 「鴎」
...荒れ果てた不毛の広野の幾十年を...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...大風の動く広野もないことは不思議ではありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...この広野原のいずれかを尋ねたならば...
中里介山 「大菩薩峠」
...不眠の広野の上に落ち散る...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...闇を通つて広野原...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...広野(ひろの)等の如し...
正岡子規 「俳諧大要」
...日の輝く広野の嬉戯よりも薄暗い小屋の孤独を欲するような頃がやって来た...
三木清 「語られざる哲学」
...三つの大きい山が周囲を取りまわしている広野です...
水野葉舟 「北国の人」
...清源の陳褒別業に隠居し夜窓に臨んで坐す、窓外は広野だ、たちまち人馬の声あり、屹(きっ)と見ると一婦人虎に騎(の)り窓下より径(みち)を過ぎて屋西室の外に之(ゆ)く...
南方熊楠 「十二支考」
...たった一つの名で漠然と呼ばれていた広野でも...
柳田國男 「和州地名談」
...奇怪な侍に広野の果てへ引っさげられて行った先生...
吉川英治 「江戸三国志」
...毎日広野(こうや)へでて...
吉川英治 「神州天馬侠」
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