...妙なところに真暗な広々した空地がポッカリ明(あ)いていたりなどして...
海野十三 「疑問の金塊」
...そこには広々した天然があった...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...広々した東京の方がやはり住みよいと思った...
徳田秋声 「足迹」
...低い垣根に仕切られた広々した庭が...
徳田秋声 「あらくれ」
...下の広々した玄関の上がり口の奥に...
徳田秋声 「縮図」
...広々した自分の寝室(ねま)の臥床(ねどこ)に手足を伸ばすのが心持よかった...
徳田秋声 「爛」
...目のとゞくかぎり広々した畠です...
永井荷風 「畦道」
...自分は唯(たゞ)広々した大きな景色が見たかつた...
永井荷風 「海洋の旅」
...広々した海湾の景色は寝台の上に横(よこた)はりながら一目(ひとめ)に見晴(みはら)すことが出来る...
永井荷風 「海洋の旅」
...広々した閑地は正面に鬱々として老樹の生茂った辺(あたり)から一帯に丘陵をなし...
永井荷風 「日和下駄」
...彼方(かなた)遥かに広々した閑地の周囲の処々(しょしょ)に残っている練塀(ねりべい)の崩れに...
永井荷風 「日和下駄」
...比較的広々した所へ来ると...
夏目漱石 「こころ」
...あの広々した紅葉館(こうようかん)の大広間にいて...
長谷川時雨 「大橋須磨子」
...あの広々した野を見ると...
長谷川時雨 「平塚明子(らいてう)」
...僕達が漸く其の広々した庭園を(処々秋の木の葉の散つてゐる)――眺め始めた時に……十二時が鳴つて...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...広々した自然の中へ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「墓地へゆく道」
...広々した畑、関西風な村を抜けて自動車が青島へ向い駛るにつれ、私は段々愉快で堪らなくなって来た...
宮本百合子 「九州の東海岸」
...一帯の荒涼な風景の凡(すべ)てから或る広々した思いがしたばかりであった...
室生犀星 「童話」
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