...幾晩も電燈の光りに推敲(すいこう)を重ねた小説はひそかに予期した感銘の十分の一も与えていない...
芥川龍之介 「文章」
...わたしは幾晩(いくばん)も隊商の後について行きました...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「絵のない絵本」
...平家の物語を語っていただきたいという御所望に御座います』さてそれをすっかり語るのには幾晩もかかる...
小泉八雲 Lafcadio Hearn 戸川明三訳 「耳無芳一の話」
...クリストフを幾晩も泊めるつもりだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼女は幾晩も、泣き明かしまた考え明かした...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...さういふ夜が幾晩もつづいた――が良心の苛責に耐え得ない...
中村地平 「悪夢」
...幾晩となく母が気を揉(も)んで...
夏目漱石 「夢十夜」
...子供の時分幾晩つづけてみても...
林不忘 「あの顔」
...お巡査(まはり)さんは幾晩となく張り込んだ手柄を先づ村民から見て貰ひたいとも考へて居た...
平出修 「夜烏」
...こんなくだらない散歩がもう幾晩続いてゐることだらう――...
北條民雄 「青い焔」
...それに彼等は幾晩も寢られなかつたり...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「「マルテ・ロオリッツ・ブリッゲの手記」から」
...今夜もこの後の幾晩も...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「琴」
...しかしそんなことがあったあと幾晩かは...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「衣裳戸棚」
...ひっくりかえったときは幾晩も徹夜で働いてくれその後も氷買いだけだって大した骨折りをさせましたから餞別を三十円やります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...人に金を取られたりしてゐたことも幾晩であらう...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...しかし家内中で幾晩か働いて...
柳田国男 「故郷七十年」
...こんなことが幾晩も続いた...
山本周五郎 「松林蝙也」
...ゴオドは、幾晩も/\、この窓側で、陰鬱な廣場に見入つたり、遠く出てゐる氷島人達のことや、そしていつも、あの舞踏の時のことやに思ひ眈つて、すごしてゐた‥‥‥‥舞踏の濟み際は非常に暖かであつた、そしてウォルツを踊つてゐる人々の頭はぐら/\しだした...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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